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認知症かと思いきや白内障!? 日本の眼科医療は世界から20年遅れている

7/9(日) 14:00配信

週刊女性PRIME

目の寿命は65~70年!  早めのケアでいつまでも見える目に

■間違いだらけ? の日本の眼科医療

「日本の眼科医療は世界のトップレベルだと思っていませんか? まず、その認識から変えないと正しい目のケアはできません。眼科手術に関しては、日本は、世界トップレベルから20年遅れているといっていいでしょう」

 こう注意を促すのは眼科外科医の深作秀春先生だ。世界の最新治療に精通する専門医として、日本の現状を厳しく批判する。

「例えば日本では、緑内障や加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい/※詳しくは記事の最後で解説)という目の病気は完全には元に戻らないといわれていますが、私は多くの患者さんを手術で治してきました。

 また網膜剥離の手術も、世界ではすでに行われていない旧式の方法が日本の場合は標準化されています。手術だけでなく、病気の診断でも遅れている。そのため症状が進み、手遅れになることも少なくありません」(深作先生、以下同)

 ここに挙げた病気は目の老化で起こる、どれも一般的なものだという。

 3月に厚生労働省が発表した統計「完全生命表」によると、日本人の平均寿命は女性が86・99歳、男性は80・75歳。一方、目の寿命は「65~70年と考えていいでしょう」と深作先生。

「個人差はありますが、目の中にある水晶体は65~70年が寿命です。これが高齢者になれば老化し、ほとんどが白内障になります」

 白内障になると、書類の赤字が見えなくなったり、黒と紺色の区別がつかないなど生活に支障が出てくるという。

「例えば、フランスの画家、クロード・モネ。『睡蓮』という連作が人気ですが、82歳で描いた『睡蓮』は、60歳のときに描いたものと比べると色彩が失われ、何を描いているかわからない部分もある。モネは72歳で白内障と診断されています」

 白内障は、世界における失明の原因の第1位。

「正しい予防や治療をしないで視覚を失ったら、本人はもちろん、子どもや孫の負担も大変になります」

■視力低下が高齢者の“元気”を奪う

 目の治療を行わなかったために、家族に認知症と誤解されていた高齢者もいるそうだ。

「昨年の夏、89歳の白内障の女性の手術を行いました。女性は何も話さず、こちらが話すことも理解できない様子でした。家族は認知症を疑っていましたが、手術を終えて1週間後、再来院したときに突然、しゃべりだしたのです。それまでは目が見えないことによって情報が遮断されていたため、気分がふさぎ込んでしまっていたようです」

 女性はもともと高校野球が大好きで、視力が回復したいまは、甲子園を楽しみにしているという。

「もし手術を行わなければ、視力が回復しないだけでなく、足腰も弱り、やがては寝たきりになってしまうおそれもあったでしょう」

 同じく白内障の進行で認知症を疑われていた90代の男性も、白内障の手術により視力が回復。念願だったフランス語の勉強を“もう1度始めたい”と思うまでに回復したそうだ。

「80~90代になれば、ほとんどの人が白内障で視力が衰えます。そうなると怖くてひとりで外も歩けなくなる。衰えた目が見えるようになるということは、元気になるということ。活動の幅が広がり、生活の質がグンと上がるのです」

 80~90代なんて、まだまだ先の話……。そう思うかもしれないが、

「週刊女性読者やその配偶者世代であれば、老眼をはじめとした“目の老化”が始まっています」

 老化を遅らせるには予防とケアが大事。特に、目の老化の曲がり角を迎えたOVER40にとっては、ここからどう対策するかがものをいう。

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最終更新:7/9(日) 14:00
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