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物事が長続きしない理由。小池都知事に学ぶ「勢い」のつくり方とは?【魂が燃えるビジネス】

7/9(日) 8:50配信

週刊SPA!

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるビジネス」とは何か? そのヒントをつづる連載第6回

「最初は調子がよかったのに、なぜか長続きしない」

 ビジネス、恋愛、筋トレやダイエットなどのボディメイク。私たちはことあるごとに目標を立てて、それを実現しようとします。しかし、それが長続きするのは極めてまれです。大体は途中でやめてしまいます。

 そもそも最初から「なにもかもダメ」なんてことはほとんどありません。何かを始めるときは、それなりに準備をします。たとえばビジネスなら、その業界について調べ、ノウハウを学び、ビジネスモデルをつくったうえで行動します。

 だからこそ最初のうちは、ちゃんと感触がつかめます。人が集まり、売り上げが発生して、「お、これはうまくいきそうだ」と実感できます。しかし不思議なことに、それからパッとしなくなり、低空飛行が続いた後に「無理だ」と挫折してしまうのです。

 これはアフィリエイトや輸入転売といった副業において顕著です。最初は儲かっていたのに、気づいたらビジネスをたたむ話になっていた。こうしたパターンは珍しくありません。

 ビジネスモデルやロジックといった方法論だけで目標を達成しようとすると、かえってそれに囚われてしまいます。自分の考えが正しいから、効率的だから、合理的だからうまくいく。私たちはそうした思い込みに足をすくわれがちです。

 正しさや効率、合理性に注目するあまり、見落としてしまうもの。それが「勢い」です。あらゆる物事は時間経過とともに変化していきます。ヤカンに火をかけても、いきなり沸騰するわけではありませんし、火を止めたからといって、いきなり冷水に戻るわけでもありません。それが目標達成といったスケールなら、なおさらです。

 最近、まさにそれを象徴する出来事がありました。小池都知事VS自民党という対決の構図になった東京都議選です。結果はご存じのとおり、小池都知事が率いる都民ファーストの会の圧勝、自民党の完敗でした。

 私は政治評論家ではないので、声高に語る資格はありませんが、今回の結果が「小池都知事が正しくて、完璧で、合理的だったから」というワケではないでしょう。なぜなら彼女に限らず、この世には完璧な人間などいないからです。

 実際、彼女に対する風向きは、最近変わりつつありました。オリンピックの競技会場は、当初の案に逆戻り。豊洲への移転問題も「築地は守る・豊洲を活かす」という玉虫色の折衷案に落ち着いています。

 しかし、小池都知事にはこれまでに蓄えた「勢い」がありました。そして、それが圧勝を引き寄せています。今回の選挙結果には「自民党の墓穴」が要因としてありますが、それだけではここまでの大差にはならなかったでしょう。

 これが単純な「良い/悪い」「正しい/まちがい」「合理/非合理」だけでは物事を語れない、語ってもあまり意味がない現実なのです。これは政治だけでなく、ビジネスや人生全般にも通じています。

 では、どうすれば物事に実現させるのに必要な「勢い」を生み出せるのか? 私がオススメしているのは「利他」です。自分のためにではなく、他人のために行動する。すると、そこから継続力が湧き上がってきます。

 第4回の「ハリウッドセレブが破産するワケ」でもお話ししましたが、人間の欲望の器(うつわ)は、私たちの想像以上に小さくできています。ちょっとしたことで満足してしまうのです。

 ビジネスで勢いが失われるのはいつか? それは「自分が満足したとき」です。他人から高く評価されたり、売り上げが伸びたりすると舞い上がってしまい、その瞬間からモチベーションが低下します。

 これは食欲、睡眠欲といったほかの欲求と同じです。ご飯を食べたら、しばらくは食べたくなくなります。自分の願望が達成されると、人はそれに満足し、そこで止まってしまいます。このメカニズムこそ「うまくいきそうだったのに、勢いが失われてしまう」原因です。

 しかし、こうした満足の限界はあくまでも「利己」に限ります。利他に関しては、その心配がほぼありません。

 たとえば「売り上げを伸ばしたい」「営業成績でトップになりたい」といった利己的な願望だと、それを達成した時点で満足してしまいます。これは頂点に上り詰めたスポーツ選手などのインタビューを読んでも明らかです。彼らはその後、決定的なモチベーション低下に悩まされます。

 しかし、「自分たちの商品やサービスで一人でも多く幸せにしたい」といった利他的な願望ならば、その心配はありません。なぜならこの世界には60億の人間がいるからです。自分たちの商品やサービスが60億人を幸せにするまで、そのビジネスは終わりません。

 ちょっとスケールが大きすぎで実感がわかないかもしれませんが、これをリアルに実践しているのが、ソフトバンクの孫正義、ファーストリテイリングの柳井正、アップルのスティーブ・ジョブズといった経営者です。

 彼らは情報インフラ、衣料品、スマートフォンと商品やサービスは違えど、それをできるだけ多くの人間に普及させようと考えています。だから、その勢いが止まらないのです。

「夢や目標は大きく持て」というアドバイスがあります。私たちはつい尻込みしてしまって、こじんまりしたスケールに収まってしまいがちです。でも、それこそが長続きしない、勢いが途中で失われてしまう理由です。

 こうした自己啓発に関する記事を読む以上、あなたには夢や目標があると思います。ぜひそれを社会や他人、いや世界や人類をも巻き込むスケールに拡大してください。かえって、その方が「やってやる!!」というモチベーションを生み出してくれるでしょう。

【佐々木】

コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」

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最終更新:7/9(日) 8:50
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