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ガラス瓶に「大人の塗り絵」 ネットにはない“書店の魅力”さぐる

7/10(月) 9:50配信

オーヴォ

 地方に行く楽しみの一つが書店めぐり。駅前の大型書店などもにぎやかで楽しいが、ふらりと入ったまちなかの小さな書店で、長年探しあぐねていた絶版本や品切れ本の“新刊本”に出会うと旅の喜びが増す。ネット書店はあらゆる無駄を省いて便利だが、まちの書店には偶然の出会いがあふれている。

 稀代の本読みである立花隆氏は大型書店に入っていろいろな分野の本に食指が動かなくなったら物事に対する感度が鈍った証拠だとたしか自著の中で述べていたと記憶がある。大型書店は、“知の巨人”の知的欲求を満たすに足る広大さを備えているのだろう。

 町の本屋さんが姿を消すのはさびしい限りだが、最近は大型書店にもその波は押し寄せているようだ。昨年8月、紀伊國屋書店新宿南店が1階から5階の営業を終了した。本のまち神保町の個性的な本屋であった岩波ブックセンターも閉じてしまった。

 大型書店をはじめ実店舗を構える書店は、ネット書店にはない魅力に磨きをかけなければならない時代に突入している。

 京都市のふたば書房御池ゼスト店では、ガラス瓶製造メーカーの東洋ガラスなどとのコラボで、牛乳瓶などガラス瓶の塗り絵を楽しむワークショップが6月24日開かれた。参加者たちは、ガラス瓶に印刷された塗り絵の柄に思い思いの色を重ねていった。

 塗り絵の柄は塗り絵本「大人の塗り絵」シリーズから採用。参加者の中には「大人の塗り絵が好きなので申し込んだ」とわざわざ京都市外から訪れた人もいた。本への興味が新たな興味を掘り起こした格好だ。

 あらゆる知的関心を引きつけることが可能な多彩な本。“最強コンテンツ”を軸に、ネット書店にない魅力をどう新たに加えていくか、書店の殻を破った今後の展開に期待したい。

最終更新:7/10(月) 9:50
オーヴォ