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自衛隊ほど制約を受けている軍隊はない

7/10(月) 20:06配信

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自衛隊のレベルは世界的だといわれます。アメリカの原子力潜水艦にディーゼルの潜水艦で18勝1敗1分と圧倒した元エース潜水艦長・中村秀樹が『日本の軍事力 自衛隊の本当の実力』を上梓。そんな優秀な自衛隊の能力が実際には活用できないよう、法律や社会的な制約が様々に課せられ、国防という本来の使命を果たせない現実に切り込む。

国防とは国を守ること

 日本では、国の安全より法律、国民の生命より憲法9条が大事という現実があります。

 国防とは国を守ることです。では国とは何でしょうか。一般には領域(領土、領海、領空)、主権そして国民を要件とする政治組織と考えられています。

 だから国防の目的は、領域、主権、国民を守ることと言えるでしょう。これはどこの国でもほぼ共通しています。

 たとえば他国の軍隊が、自国民や商船、民間機が攻撃される事態に遭遇したら、どうなるでしょうか。近くにいる軍隊は自衛の範囲で、攻撃者を攻撃できます。いや、むしろそれが義務とされています。

 国家の自然権たる自衛権の行使だし、軍隊とはそのための組織だからです。目の前で攻撃される自国民、船舶や航空機を見殺しにするような軍隊は、存在意義なしとして国民から指弾されるに決まっています。

 しかし自衛隊の場合、防衛出動が発令されていなければ武力行使はできません。たとえば自衛艦のすぐ近くで、日本船舶が外国軍艦から攻撃を受けていても、自らが攻撃されない限り手出しはできません。自衛隊には、平時には武力行使の権限がないからです。

 こんな窮屈な制限を受けている軍隊は、他国に例を見ません。いや、自衛隊は軍隊ではないという人もいるでしょうが、ここでは不毛な建前論はおいときましょう。要は、国を守る集団でありながら、その任務を遂行できないということなのです。

(『日本の軍事力』より構成)

文/中村 秀樹

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