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【よくわかる講座:コンプライアンス・企業倫理】コンプライアンスの実務(4)法律対応

7/10(月) 7:30配信

日本の人事部

(1)会社法

●会社法に定められている手続きの遵守がリスク管理につながる

会社法は、文字通り会社を対象とした、会社経営の基本となる法律である。会社の設立、組織、運営、管理一般について定めており、会社法に基づく内部統制の基礎を固めるために、株主、取締役、監査役は、それぞれの地位に応じた権利、権限、義務を強く認識し、責務を果たすことが求められる。例えば役員は会社に対して善管注意義務を負い、その任務遂行について厳しい責任が問われる。また、経営者は企業価値を高めるため、コンプライアンスの推進によって不祥事に伴う企業価値の毀損(きそん)によるマイナスを防ぎ、信頼性の向上させていくことが期待されている。いずれにしても、会社の基本的な枠組みを理解し、会社法に定められているさまざまな手続きを遵守すること自体が、コンプライアンス経営における会社のリスク管理につながるのである。

(2)金融商品取引法

●インサイダー取引の規制には、特に注意する必要が

金融商品取引法は、投資しやすい市場機能の確保と金融・資本市場の国際化への対応を図ることなどを目指して、法整備を行ったものである。上場会社にとっては会社法と並んで重要な法律であり、株式・社債などの取引や、コーポレートガバナンスなどに大きな影響を及ぼしている。金融商品取引法に関連するリスクには、以下のようなものがある。


【金融商品取引法におけるリスク】
・役員や従業員が、インサイダー取引規制に反して、自社株の売買をしてしまう
・役員などが、自社株の売買を勝手に行って、その適切な報告がなされない
・公開買付に関する情報が漏えいし、それを先回りした株式売買が行われる
・有価証券報告書等に誤った事実を記載してしまう


中でも不公正取引の典型であるインサイダー取引の規制に関しては、注意が必要だ。インサイダー取引規制は、株でもうけたかどうか、利益を得る目的があったかどうか、重要事実の入手と利益の間に因果関係があったかどうかは関係ない。問題となりそうな取引を行う場合は、事前にインサイダー取引違反にならないかどうかを相談できる体制を整備しておくことが望ましい。

インサイダー取引などのリスクを起こさないためにも、金融商品取引法に対するコンプライアンス・プログラムには、次のような内容を盛り込むことである。またこの内容については、他の法律でも同様に行うべきコンテンツと言える。


【金融商品取引法:コンプライアンス・プログラムに盛り込む内容】
・金融商品取引法遵守の宣言
・従業員のための金融商品取引法遵守マニュアルの作成・配布
・従業員に対する金融商品取引法遵守教育・研修
・金融商品取引法についての遵守状況のチェック体制
・金融商品取引法に関するトラブルなどに関する苦情対応窓口の設置とその対応
・将来に渡って金融商品取引法コンプライアンス・プログラムの見直しを図っていく体制

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最終更新:7/10(月) 7:30
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