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『正解するカド』が実践する次世代アニメCGのつくり方

7/10(月) 21:12配信

CGWORLD.jp

話題のアニメCGプロジェクト『正解するカド』。CGWORLD本誌ではこれまでも数度にわたりその取り組みを追ってきたが、本記事では、TV放送が間近に迫り、急ピッチで制作が進んでいた2016年12月に、渡辺正樹シリーズディレクターとカトウヤスヒロCGディレクターの両氏に、ドラマ(芝居)に主軸を置いたというCGキャラクター表現のこだわりを聞いたインタビューをお届けする。

3DCGの特性を活かした日本のアニメならではの表現を

今回の取材(2016年12月上旬)からさかのぼることちょうど1年ほど前に制作されたパイロット版(PV)では、登場するキャラクターは全てフルCGで描かれていた。メインキャラは3DCGベースで描くという方針にはかわりないというが、最終的に本制作では作画も併用するに至ったという(ただし、全てデジタル作画という別の新たな試みにも挑んでいる)。「作品全体のコンセプトとしては、キャラクター描写を3DCGで表現することに重きを置いていますので、おおよそ7割はCGベースで制作を進めています」とは、渡辺正樹シリーズディレクター。渡辺氏がプロジェクトに参加したのは2015年の初頭。まずは絵コンテを描いていったという。「本作はジャンルとしてはSFですが、ターゲットは広くとらえています。各キャラの格好良さやかわいさを引き出すことで女性など、SFファン以外の方にも興味をもってもらえればと。特にTV放送では、ある程度キャッチーさがないと、すぐにチャンネルを変えられてしまうので視聴者の目線に立って演出することを心がけています」(渡辺氏)。そうしたこだわりは画づくりにも反映されている。

パイロット版ではコントラストの強い重厚なビジュアルであったのに対し、本制作では画としての見やすさ(情報の把握しやすさ)を考慮した見やすさを重視したルックを模索したという。「例えば旅客機内のシーンでは、キャラクターの表情が認識できるようにと、顔に濃い影は落とさないようライティングを調整するなど、感情やシチュエーションに合わせたライティングを心がけています」とは、CGディレクターのカトウヤスヒロ氏(東映アニメーション デジタル映像部)。

また2D(作画)と3DCGを併用したハイブリッド作品の場合、両者の馴染みも重要な指標となるのが一般的だが、本作ではCGを作画に寄せるのではなく、お互いの利点を最大限に活かすことを目指しているとのこと。「たとえデジタルであっても作画には枚数制限が付きものです。一方、CGの場合はそうした意味での制約はないので演出の幅が広がります。私は作画とCGは別物だと考えているのですが、CGならではの新たなアニメーション表現の可能性を見い出ればと思っています」(渡辺氏)。

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最終更新:7/10(月) 21:12
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