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デジタルに悩むマーケターは、なにを見落としているのか?:マーコム設計という根本問題

7/10(月) 7:10配信

DIGIDAY[日本版]

本記事は、WPPグループ最大のデジタルエージェンシー、VMLの日本法人の代表と、株式会社FICCの代表取締役を兼務する、荻野英希氏による寄稿コラムとなります。

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デジタルマーケティングに課題を感じ、私に協力を求めるクライアントの多くは、より根本的なマーケティングの課題を抱えています。デジタルメディアがもつ、高精度なターゲティングや、インタラクティブ性などの特性は、マーケティングコミュニケーションの設計なしに活用することはできません。そのため、多くの広告主は、既存需要の刈り取りしか行っておらず、デジタルマーケティングによる収益成長の実現に至っていないのです。

マーケティングコミュニケーションの主な役割は、新しい需要を喚起し、商品の購入意向を獲得することです。その設計には、態度変容プロセスの正しい理解が欠かせません。コミュニケーションの起点となるのは、広告反応と購入見込の高いターゲットと、その支出先である「ソースオブビジネス(収益源)」です。

ソースオブビジネス

新しい商品の購入資金は、既存の消費支出から補填されます。補填元となるソースオブビジネスは必ずしも直接的な競合商品ではなく、生活者の意識しないところから資金を奪っているかもしれません。商品がもつ機能と与えられた役割は、まったく別物であることが多いのです。

たとえば、8割がギフトとして購入される万年筆は、ほかの筆記用具ではなく、同じ男性向けギフトのネクタイをソースオブビジネスに設定すべきでしょう。書き味の良さよりも、男性が喜ぶことをアピールすべきなのです。ほかにも、プレミアムアイスクリームは夜のお酒(役割:可処分時間の充実)に、トレーニングジムは英会話学校(役割:自分を磨く)などにソースオブビジネスに設定している事例があります。重要なのは、新しい商品と共通の役割をもち、収益源として十分な支出を伴っていることです。

根本問題

大半の購買は、何らかの問題解決のために発生しています。その問題は必ずしも意識されていたり、機能的である必要もありません。 新しい商品を購入してもらうためには、現状よりも深く、その商品にしか解決できない「根本問題」を認識してもらうことが効果的です。この記事でも、「デジタルマーケティングができていない」という課題を感じている方に、「マーケティングコミュニケーションの設計ができていない」という、より根本的な問題を認識してもらうことができたでしょう。ターゲットが、この問題の再解釈により、ソースオブビジネスに対する支出が解放され、ほかの商品に向けられるようになるのです。

生活者が根本問題を認識する度合いにより、獲得できる市場の規模が決まります。その効果を高めるためには、根本問題を過去の体験に基づく「知覚要因」と紐づけることが効果的です。たとえば、この記事の「マーケティングコミュニケーションの設計ができていない」という、より根本問題の例では、「KPIの設定に困った」という体験に紐づけることができます。態度変容プロセスの全体像がわからなければ、何を中期指標とすべきかはわからないはずです。さらに、この知覚要因が日常的に発生するものであれば、根本問題をより頻繁に思い出してもらうことが可能になります。

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