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専門職も、やがてマシンに取って代わられる

7/10(月) 12:30配信

WIRED.jp

周りの世界とインタラクトしながら学習し、どんどん賢くなっていくマシン。わたしたちはマシンの助けを借りることに慣れ、やがては税理士といった専門職もマシンに任せるようになるだろう。完全自動作成された申告書にサインするくらいに、それらを信用する時期が近づいているのだ。

人工知能は、思った以上に早く「人間の仕事を奪う」かもしれない

いまから数年で、機械が自動で確定申告できるようになることはないだろう。しかし、テレビで流れる自動税務処理のコマーシャルは、“ロボット”がそれに近いところまで来ていることを示しているのだろうか? 人の職業がまたひとつ消え去ろうとしているのだろうか?

おそらくそうなのだろう。研究が示しているように、ロボットは予測可能でエラーあたりのコストが低い仕事を行うのに最も向いている。そして、仕事が予測しづらくなるにつれ、ロボットは間違いを犯すようになる。自動化の価値があるのは、この間違いのコストが低いときなのだ。

例を挙げよう。自動運転車はほとんどエラーを起こさない。しかし、間違いを起こしたときのコストは非常に大きく、命にもかかわる[日本語記事]。それに対してほとんどの納税申告は、機械の判断材料となる過去データが膨大にあり、リスクがひどく高いというわけではない。

自動車のたとえをもう一度出すと、自動車メーカーはセンシングやブレーキ、加速といった判断を徐々に自動化している。やがてすべての機能は完全に自動化されると予想され、クルマの運行指示の役割は取って変わられるだろう。同じように、人は税務に関して機械の助けを借りることにどんどん慣れていきそうだ。最終的にはおそらく、われわれの多くは機械によって完全に自動作成された申告書にサインするくらいに、機械を信頼することになるだろう。

マシンは、特定の問題を解決するツールではなくなった

2015年には、200万人以上が会計士、経理、簿記係、監査役として雇われていた。これまでのところ、情報を扱うこの手の職業は自動化に抗えている。なぜなら これらの職業は現実から生まれる体系化されていないデータを扱い、判断を下し、実際に人間とやりとりしなくてはいけないからだ。

しかし今回は違うかもしれない。2015年と現在の違いは、人工知能の知覚能力が向上したことにある。いまや機械は、画像や音声、文章を扱うことができ、それらを大きな間違いを犯すことなく大量に取り込み分析することができる。会計専門職とトラックの運転手だけでも、450万人の仕事がロボットに奪われる可能性があるのだ。

より大きな疑問としては、これはほかの職業の未来の先触れなのかということだ。主な職業のトップ10は米国で約2,500万の人口を占めている。新しいAIマシンは、ほかの職業にとってもリスクになるのだろうか? そんな可能性だって、なきにしもあらずだ。

いままでテクノロジーが面倒な仕事をこなすようになった場合、それは同時に人間をより生産的にし、それらのテクノロジーを利用した新しい仕事を生み出してきた。鉄道は消費者に商品を届ける機会を生み、コンピューターは創造と情報利用に関する新しい仕事を生み出した。

しかし今回は違うかもしれない。歴史的に、マシンは特定の問題を解決するために設計されてきた。しかし、いまやマシンは自分で学習し、現実世界とインタラクトし、どんどん洗練されていく知覚能力によってデータを収集することで、自らの決断を研ぎ澄ませていく。機械がたまに起こすミスを調整することにわれわれが慣れれば、乗り物の運転や税申告準備など、かつて人間の職業だったものが自動化されるだろう。

これは、もっと大きな問いを投げかける。トランプ大統領は、米国に雇用を生むインセンティヴをつくると約束した。しかし、もし彼が米国にビジネスを取り戻せたとしても、AIによって生まれる逆風があるため、そのビジネスが雇用を生むかはわからない。それどころか、人間が日常生活のなかでますますロボットの能力に順応していくことで、人間の従業員を雇うほうがずっとチャレンジングなことだとみなされるようになるかもしれないのだ。

MICHAEL CONNOR

最終更新:7/10(月) 12:30
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