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NYメンズウェア・シーン注目株のデザイナー ロバート・ゲラーにインタビュー

7/10(月) 13:10配信

GQ JAPAN

ブランド設立10周年を迎えたロバート・ゲラーは2月のニューヨーク・ファッション・ウィークにおけるフィナーレで「Immigrant」と書かれたTシャツを着てあいさつした。ドイツから移住したNYの注目株デザイナーにインタビューした。

【 ロバート・ゲラーお気に入りの4ルックはこちら 】

2017年2月1日、ロバート・ゲラーはブランド設立10周年の節目を迎え、「ニューヨークファッションウィーク:メンズ」のオフィシャル会場であるマンハッタンのスカイライト・クラークソンで、2017年秋冬コレクションのショーを開催した。3月末には、CFDA(アメリカファッション協議会)の「メンズウェア・デザイナー・オブ・ザ・イヤー」にノミネートされ、NYのメンズウェア・シーンに欠かせない注目のデザイナーのひとりである。そんなゲラーにコレクションのコンセプトと今後の展望について聞いた。

──10周年、おめでとうございます。

ありがとうございます。正直に言って、自分でもよくやってきたなと思います。アメリカではコンテンポラリー・メンズウェアというのは、10年前には存在しないも同然だったんです。むかしはトム・ブラウンとよく、互いを励まし合ったものです。この10年でマーケットも環境も本当に劇的に変化していきました。クオリティが良いのは当たり前。そのうえに、ブランドは常に特別でなければならない。“このブランドにしかない何か“を提供しなければなりません。競争も激しいし、この10年は本当に挑戦の連続でした。

──ショーのフィナーレでは「Immigrant」と書かれたTシャツを着て挨拶されていました。

昨年の11月に新しい大統領が誕生する前から、何かが起こっている、何かが変わっていってしまうという危機感が自分をリアルに包んでいました。ちょうど今季のコレクションを準備するタイミングです。この10年、ニューヨークでデザイナーとしてやってきて、私個人としてもアメリカに住んで20年の節目の年なんです。自分としてもすごく色々なことを考えるタイミングになりました。これから何が起こるのか。その中で自分はどんな方向に進むべきなのか、など。

私はドイツからの移民です。けれど、家族も含め、いまはすべてがアメリカにあります。私はアメリカを自分の一部だと思っています。それに、私のクリエイターとしての心は、常にニューヨークにあります。ImmigrantのTシャツはショーの直前に妻が手書きで作ってくれました。デザイナーとしてだけでなく、個人としても自分の気持ちやヴォイス(声)を反映させることが大事だなと痛感しています。自分は何者なのか、何を感じているのか。人として伝えたい何かがあるか。

私は、そのヴォイスをできる限り希望が感じられるような、ポジティブな形でに伝えたいと思っています。コレクションではそれをネオンカラーやポップな色で表現しました。憎しみより愛で伝えたいんです。

──では今後10年ではいかがですか。

個人として面白いと感じているのは、ソーシャルメディアの発展によって、顧客との関係が近くなったことです。デザイナーである私が、個人の顧客の私のデザインにたいする感想をじかに聞けるのですから、興味深い世の中になったな、と思います。自分がデザイナーとして一番気に入ったルックではなく、「これが!」というルックが一番売れたりします(笑)。

新しいインプレッションとインスピレーションを私にもたらしてくれるのは、いつでも人間であり、社会です。社会はいつでも変化していますからね。「See Now, Buy Now」にしても、最近の変化のひとつで、時代のテンポが早くなっています。コレクションやショーで発表したときの興奮を6カ月のあいだ持続させることが難しい世の中になっていると思います。世の中がいまどんなムードなのか、どんなことを望んでいるのか、その“気分”を察知することが非常に重要です。私は自分のブランドのデザイナーであるだけではなく、クリエイティブ・ディレクターであって会社の社長でもありますから、責任は重大である。一方的な視点ではなく多面的にブランドを構想する必要があります。

いまはあらためて、“ロバート・ゲラー”ってどんなブランドなんだろうという、原点に立ち返る作業をしています。将来は、コレクションの発表の方法も変えるかもしれません。つまり、ショーというスタイルをとらないかもしれません。やっぱり自分のやりたいことを一番よく表現できる形式とはなんだろう、と考えています。次の10年や将来を見据え、クリエイターとしていまは純粋に楽しんでいるのかもしれませんね。

■ゲラーの新動向

6月はにロンドンではじまった2018年のメンズの春夏コレクションは、フィレンツェ、ミラノ、パリとつづいて、7月10日からはニューヨークで開幕する。ゲラーもその時期に最新コレクションを発表するが、合わせて、G-SHOCKとのコラボ時計もローンチする予定である。

八木橋 恵

最終更新:7/10(月) 13:10
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