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日本酒にも自然派の波がやってきた!理想のビオ日本酒を造る【前編】

7/10(月) 22:01配信

GQ JAPAN

東京からクルマで約1時間。アクアラインを渡った先に、その酒蔵はあった。自家培養・自然醸造という、稀有な日本酒の醸造法を60年にわたって受け継ぐ『木戸泉酒造』と自然派日本酒バー「twelv.」が手を組み、理想の日本酒をつくる。今回はその前編。

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■稀有な日本酒の醸造法「高温山廃もと」

受け継がれてきた伝統や技術を守ることは、新たなことをゼロからスタートするのと同じくらい、いや、それ以上に難しい。

技術は日進月歩。もし同業者が新たな技術を取り入れ、実績を上げたとなれば、経営者ならずとも誰もが気持ちが揺れることだろう。伝統を守るということは、そうした時代の流れに翻弄されることなく、無骨なまでに真摯に先達の軌跡をたどることでもある。

『木戸泉酒造』(千葉県いすみ市)の五代目蔵元・荘司勇人さんは、60年前から蔵に伝わる「稀有な日本酒の醸造法」を受け継ぐ強い信念を持った人だ。

その醸造法の名前は「高温山廃もと(こうおんやまはいもと)」。

日本酒になじみのない方のために、ここで少し日本酒の造りについて説明しよう。古来より、酒造りにおいて酒質に影響する工程は「一に麹(麹造り)、二にもと、三に造り(もろみ造り)」と言われてきた。

日常生活でまず出てこない(二)の「もと」とは、日本酒を大きなステンレスタンクで仕込む前に小さなタンクで発酵に必要となる優良酵母を大量育成したもののことを指し、「酒母」とも呼ぶ。酒母には人工的に生成した乳酸を加える速醸もと(そくじょうもと)、乳酸を加えない生もと(きもと)、そして山廃もと(やまはいもと)と大きく分けて3種の製法がある。高温山廃もともこれらと同じく酒母の製法の一種だが、全国的にもこれを取り入れている蔵は数えるほどしかない。手間がかかる上に、大量に作ることができないからだ。

高温山廃もとは今から60年前、荘司さんの祖父と当時の技術顧問とが試行錯誤しながら編み出したものであり、現在も蔵のすべての酒でその手法を採用している。

戦後まもない頃、水で希釈した醸造アルコールや糖類を混ぜた「三増酒」と呼ばれる粗悪な酒(昭和44年までは保存料となるサリチル酸が添加されていた)が出回っていたなか、何故、荘司さんの祖父は高温山廃もとに着目したのだろうか?

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最終更新:7/10(月) 22:22
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