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チーズがやめられない 理由は「生存本能」にあった?

7/10(月) 12:30配信

Forbes JAPAN

あなたを最も悩ませるのは、どちらだろうか?ウェンディーズの「チェダーラバーズ・チーズバーガー」、ピザハットの「チーズクラスト」──。チーズを食べることがやめられないのは、あなただけではない。



チーズは食べたい欲求を抑えるのが最も難しい食品の一つだ。ベジタリアン(菜食主義者)がビーガン(完全菜食主義者)になるのが難しいのは、卵ではなくチーズをやめられないからだという人もいる。少し匂いがしてきただだけでも唾液が出てくる塩分も脂肪分も豊富なチーズは、ただおいしいだけではなく、いわば「病みつき」になる食べ物だ。

「The Cheese Trap(ザ・チーズ・トラップ)」の著者、ニール・バーナード博士によれば、やめられないことには理由がある。チーズに含まれるタンパク質の一種、カゼインは体内で分解されると、アヘン様の作用を持つカソモルフィンという化合物に変化する。そして、このカソソモルフィンはアヘンに含まれるモルヒネやそこから作られるヘロインなどと同様に、脳内でオピオイド受容体と結合する。

博士は著書の中で、「太もものサイズが増えているのが目に見えて分かっていても、どうしてもまた食べたくなってしまうのはそのためだ」と説明している。さらに、一部の研究者らは、乳製品が持つこうした作用について、(ヒトでもウシでも他の動物でも)生まれた後に乳を飲み続けるようにさせるためのものであり、種の生存を助けるものだと考えている。

コップ1杯の牛乳には、7.7gのタンパク質が含まれる。そのタンパク質の80%ほどがカゼインだ。そして、同量の牛乳から作ったチェダーチーズには、約7倍に当たる56gのタンパク質が含まれる。食料品売り場にあるどの食品よりも、カゼインの含有量が多い食品だといえる。バーナード博士は、「牛乳をコカインに例えるなら、チーズは(より純度が高いコカインの)クラックだ」と述べている。

さらに、チーズなどに含まれる塩分は脳の報酬系を刺激し、ドーパミンを分泌。その食品をもっと食べたいという欲求を引き起こす(依存性のある薬物の多くにはこの作用がある)。

米国でチーズを製造・販売する各社は、こうしたことをよく知っている。そして、利用している。国内の酪農家や乳製品メーカーから毎年およそ1億4000万ドル、約159億円を集めて製品の販促活動を推進するデアリー・マネジメント(Dairy Management)は各社に対し、乳製品の需要を喚起させる鍵は、消費者のチーズを食べたい気持ちを「誘発することだ」と提言している。

チーズがやめられないことに悩んでいたとしても、それを自分の「問題」として誰かに打ち明けたい人はいないだろう。その問題を克服するのを助けてくれる支援団体もない。だが、米国における肥満のまん延や糖尿病、心臓病の有病率の高さを考えれば、何らかの対策が不可欠だ。

自分の中に改善すべき習慣のリストがあり、それにチーズを食べ過ぎることを加えた方がいいと考えた人もいるかもしれない。健康で長生きをするためには、その他の健康に良くない食品と同様に、チーズも控えるべきだといえるだろう。

Michael Pellman Rowland

最終更新:7/10(月) 12:30
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