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あなたの知らない「借金大国ニッポン」の現実

7/10(月) 6:00配信

東洋経済オンライン

 借金をめぐる問題が、あちらこちらで顕著になっている。

 40歳未満の働き盛り層の負債は拡大中だ。総務省の家計調査によると、10年前は1世帯平均768万円だったが昨2016年は1098万円と約300万円増大した。対して貯蓄額はデフレや雇用格差の拡大によって収入が増えず、この10年でむしろ減った。若年層のバランスシートは悪化の一途をたどっている。

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 2016年は、13年ぶりに自己破産件数が増加に転じた。今年に入ってからもずっと前年同月比での増加が続いている。

何が起こっているのか。『週刊東洋経済』は7月10日発売号で「新・借金地獄」を特集。さまざまな形で身近になった現代日本人の借金問題を取り上げている。

■大学生の2人に1人が奨学金を利用

 1つは奨学金がある。

 親の所得低下と学費高騰を背景に、奨学金の利用率は上昇を続け、大学生の2人に1人が利用するようになっている。だが返済義務のない給付型奨学金を拡充する海外の潮流とは反対に、日本では原則貸し付け、しかもその7割が有利子である。大学生は平均1人343万円、最大で約600万円の負債を抱えて社会に出る。

 「非正規雇用やブラック企業の蔓延、病気や介護離職などで、安定雇用、安定収入を得られる保証は今の日本でもうなくなっている。卒業後も期待していた収入が得られず、奨学金返済に悩んで相談にくる人が後を絶たない」と若年層の労働相談に携わるNPO法人POSSEの今野晴貴代表は言う。同NPOによれば、奨学金返済ができず、自己破産に陥った人が年間600人いるという。


 生涯で最も大きな借金、住宅ローンも挙げられる。

 首都圏の住宅価格は上昇傾向だが、今は低金利だからと自分の返済能力以上に大きな金額を借りてしまう。そんな借り手を雇用リスクが直撃する。全国住宅ローン救済・任意売却支援協会の米谷真紀氏は言う。「リストラや転職失敗で収入が減ったり、退職金が期待ほど出なかったりして返済に行き詰まるケースがよくある」。

 任意売却をして住宅を換金すれば債務は減らせる。ただ、ローン残高よりも売却価格が高くなるのはまれだ。任意売却しても十分な返済原資が確保できなければ、結局、自己破産に追いやられることになる。

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