ここから本文です

辻村深月の『スロウハイツの神様』が舞台化! 脚本・演出家の成井豊、“ラストが圧巻”『かがみの孤城』を語る!【前編】

7/10(月) 17:30配信

ダ・ヴィンチニュース

 演劇集団「キャラメルボックス」と、作家・辻村深月のコラボレーションがこの夏、実現する。小説『スロウハイツの神様』が、脚本・演出家の成井豊の手により舞台化され7月5日から16日まで公演が開催される。辻村作品はほとんどすべて読んでいるという成井豊。高校時代に初めてキャラメルボックスを観て以来、魅せられ続けているという辻村深月。共鳴しあうふたりの作家の対談がここに実現。辻村深月の最新刊『かがみの孤城』(ポプラ社)の感想を皮切りに、それぞれ作品に対する想いなどを存分に語り合った。

■読者の先読みをことごとく裏切り、感情のリアリティに圧倒させられる『かがみの孤城』

成井豊(以下、成井) 読みましたよ、『かがみの孤城』。いやあ、これは力作でしたね。

辻村深月(以下、辻村) ありがとうございます!

成井 ファンタジーの王道である「行きて帰りし物語」。もうだいぶやり尽くされてしまった感があったところに、この手があったか! と驚かされた。こちらの先読みをことごとく覆して展開するので、翻弄されまくりでしたよ。たとえば、主人公のこころが、せっかく異世界に誘われているのに、全然冒険しないところとか。

辻村 物怖じして、最初は行かなかったりしますしね(笑)。

成井 そう。行ったかと思えば、同じように呼ばれた中学生たちと、ずっとゲームをしているだけ。普通、異世界に行ったらまず、とんでもない出来事が起きて巻き込まれるものなのに。ものすごく期待感を煽られているだけに「あれっ」と思うんだけど、それが肩透かしというわけでなく、「なんだこれは」とむしろ惹きこまれていくという。

辻村 鏡の向こうにある孤城に集められたのは、学校に通えていない中学生7人なんですが、まずは読者の方々にも、彼らと一緒に城へ通ってほしいという気持ちがあったんです。

成井 不思議ですよね。こころたちは、学校には通えないのに、城には通っている。各々事情は違うけど、そのことが全員にとっての癒しになっていく。でもだからといって、辻村さんはむりやり彼らを仲良くさせたりしないんですよ。ちょっと仲良くなれたと思っても、次に会ったとき相手の態度がちがうと不安になったり、ほんの些細なきっかけで気まずくなったり。そのあたりの心の機微がものすごくリアルで。

1/3ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

ダ・ヴィンチ

株式会社KADOKAWA

2017年11月号
10月6日発売

特別定価​690円(税込)

【表紙】乃木坂46
祝!2期スタート 『おそ松さん』特集&だからアニメはやめられない!
「6つ子」描き下ろしトビライラスト
『おそ松さん』豪華キャストによる、特別鼎談!!

Yahoo!ニュースからのお知らせ