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国民を守った自衛官は、殺人や傷害で起訴される可能性が高い

7/11(火) 18:00配信

BEST TIMES

演習・訓練では世界一強い自衛隊!?  自衛隊のレベルは世界的だといわれます。そんな自衛隊の能力が実際には活用できないよう、法律や社会的な制約が様々に課せられていることは公然たる事実です。アメリカの原子力潜水艦にディーゼルの潜水艦で18勝1敗1分をした元エース潜水艦長・中村秀樹が『日本の軍事力 自衛隊の本当の実力』を上梓。同書より優秀な自衛隊が、国防と言う本来の使命を果たせない、そんな現実に切り込む。

法に問題アリ

 自衛権の行使としての武力行使(交戦)ではなく、刑法に基づく正当防衛を根拠に、不自由な行動ができないことはありません。国内法(刑法)では、「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない」と規定しています。(刑法36 条1項)

 しかし、実際には刑法における急迫性や不正(違法)な侵害の認定は厳しいのです。その要件を欠けば、過剰防衛や誤想防衛として、加害行為の違法性は棄却されません。国民を守った自衛官は、殺人や傷害で起訴される可能性が高いのです。

 そもそも外国軍隊(軍艦、軍用機)による攻撃(当然国家意思の表明)を日本の国内法で違法、不正と言えるのでしょうか。

 おそらく、武器が照準されただけでは、急迫性がないとされるでしょう。現に、中国軍艦や戦闘機にロックオン(照準された状態、いつミサイルや弾が飛んでくるかわからない)される事例が増えていますが、放置されています。

 弾丸が発射されてやっと急迫性が満たされるような法律を根拠に、自分や自国民を守れるわけはないでしょう。軍隊なら当然の行動であるところの、攻撃準備も許されない。「侵害を契機として相手方に積極的に加害行為を行う意思(積極的加害意思)を有するときは侵害の急迫性の要件は否定される」(昭和52 年7月21 日最高裁判所判決刑集31 巻4号747頁)からです。

 自衛隊法に基づく行動中(海上警備行動、治安出動、対領空侵犯措置など)でも平時ですから、適用される根拠は、警察官職務執行法です。正当防衛や緊急避難の場合のみ、最小限の武器使用しかできません。相手が相手の都合で攻撃をやめたら、それまでやられっぱなしでも、それ以上攻撃をすることができないのです。

 念のため断っておきますが、武器使用イコール攻撃ではありません。拳銃をホルスターから抜くことから武器使用です。小銃なら敵に銃口を向けたり、銃剣を着剣することから武器使用ですから、弾が出て相手に危害を加える段階でやっと正当防衛要件が問題になるのです。

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