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くっきり、はっきり、ストライプ&プリント!──ヴェルサーチ 2018年春夏コレクション

7/11(火) 8:10配信

GQ JAPAN

21世紀の人間像が、ブランドの古典柄を着こなす。

ピンストライプが歩いてくる。ボトムスはショートパンツでトップスはコート。パンツよりコートの丈のほうが長い。縞間の幅はコートのほうが広いので、上半身の大きいパワーシルエットに見える。が、ストライプシャツとレジメンタルタイ、Vネックニットのインナーのせいか、襟元はほんの少しトラッドっぽい。

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そんな、一連のストライプ・シリーズ=ヴェルサーチによるテーラードの提案が過ぎると、カジュアルゾーンへと突入する。そして、ヴェルサーチによる「古典」が顔を出す。ブラック&ホワイトのグラフィカルなプリントや、淡くクールなベビーパステル。極め付けはメデューサの顔やグリークキー(ラーメン丼のふちに似た連続模様)が入った、鮮やかなプリント柄。いずれも、古代ローマやギリシャの意匠をモチーフにした、同ブランドのアイコンである。

普通、創業者の後を継いだデザイナーは、過去の遺産をあまり使わなくなる。しかし、ドナテッラ・ヴェルサーチは、あのジャンニ・ヴェルサーチの実の妹だ。80年代後半から90年代初頭に、世界を席巻した、故ジャンニの手によるオリジナル。それを、忠実に再現しようとするのは、やはり尊敬と、「濃い血」のためか。

むろん、アイテムは進化している。ジャンニはフーディーを作ったことはあるが、ベロアのトラックスーツなど見せたことはない。トランクスやスイムウエアは多くあったが、ショートパンツはほとんど発表されなかった。王冠モチーフのワッペンもないし、ドローストリングでボリューム調節ができる、パラシュートパンツのような、ストリートなアイテムも皆無だった。

しかし、当時とさらに違うのは、全体のムードである。鮮やかで刺激的な色柄を使っても、かつてに比べてずっとライトなのだ。イタリアの地方都市の老舗で飲むエスプレッソと、アメリカの人気カフェチェーンで飲むラテと。どう考えても、今は後者のほうが飲みやすく、時代に合っている。

そして、さらに違うのは、「性」のとらえ方。ボディービルダーのような筋肉のモデルが、シャツの胸をはだけフェロモンを全開にする、という姿とセットだったプリントは、もっと自由な楽しさを主張している。

たとえばディズニーランドに行くとき、あるいは南の島で遊ぶ時、もちろん、都会で少し目立ちたい時、ヴェルサーチの服は同じ時間を、確実に、より盛り上げることができる。一緒に過ごす女性、男性、そのどちらでもない人、どちらでもある人、全ての人間を、楽しませることができる。ドナテッラによる遺産の継承は、ブランドの「人間像」を進化させている。

Chiyumi Hioki

最終更新:7/11(火) 8:10
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