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市川海老蔵と觀玄くんの初舞台「感動の瞬間」はここにある

7/11(火) 11:00配信

SmartFLASH

 歌舞伎俳優・市川海老蔵と長男・觀玄くん(4)が7月3日、歌舞伎座「七月大歌舞伎」夜の部「駄右衛門花御所異聞(だえもんはなのごしょいぶん)」で、親子宙乗りを披露し、観客から多きな拍手が送られた。4歳での宙乗りは歌舞伎公演史上最年少での挑戦である。

 觀玄くんの宙乗りは、6月22日に乳がんで亡くなった海老蔵の妻・小林麻央さん(享年34)を勇気づけるためサプライズとして計画され、それを見に来ることを“1つの目標”として闘病の支えにしていたものだった。

 ところが、初日の朝、海老蔵が自身のブログで「カンカン(觀玄くん)は今日出たくない」と、舞台に出演するのを嫌がっている様子を伝えた。

 歌舞伎座へ向かう車中で海老蔵と麻央さんの結婚式で歌われた「ジュピター」が流れたことがきっかけで「ママが見てるよ」と話したことで、落ち着きを取り戻したことも続けて報告した。

 そういう経緯をほとんどの観客が知った上で、その瞬間を待ち望んだ。

 觀玄くんの出演は二幕目。6時15分から始まり7時45分までの中の、最後の15分間である。觀玄くんは白狐(びゃっこ)役。いよいよ、そのときがやってきた。

 秋葉大権現役の海老蔵に「白狐よ、来たれ~」と呼ばれ、花道から白狐が「はーっ!」と、大きな声で現れた。小さな姿が花道を、とことこ走る。その姿に「わぁー!!」と、歓声とも声援ともつかぬ声が上がる。

 花道七三までくると、見得をして、左足を一歩力強く踏み、両手を上にあげて決めた。顔を白塗りにして、白い狐の衣装を被ったその姿に、あちこちから「成田屋ー!」の声がかかる。

「觀玄白狐、御前(おんまえ)に」という台詞も大きな声でこなす。
「参るぞよ」(海老蔵)
「はー」(觀玄)と掛け合い、白狐は舞台中央の大権現のもとへ走り寄る。

 暗転。
 秋葉大権現の右脇に白狐を抱えて、スッポンと呼ばれる花道のせりから登場し、宙のりに。海老蔵が空中で見得をきる。最初は下を見ていた觀玄くんも、海老蔵に合わせて右を見る。誰かを見つけたのか、觀玄くんは右手を振る。それを見た観客が「カンカーン」と手を振りだす。觀玄くんは、両手を振りだす。笑い声に客席が包まれる。

 高さは10メートル。3階の客席奥までの25メートルまでの宙乗りを、無事に終えた。

 觀玄白狐の出現は、観客と舞台が一体となった瞬間だった。そして、立派な歌舞伎役者誕生の瞬間でもあった。宙乗りの途中、海老蔵が觀玄くんに何か呟いていた。翌日、VTRで口元を確認してみると、「ママがいたね」、そんな風に言っているように見えた。

 海老蔵は7月7日のブログ「今日舞台写真ができて」で、こう書いている。

《(舞台写真を)置いておいたら カンカンいち早く ママのところへ 飾ってた… だめだ 今日も、涙がとまらない、》

 海老蔵の悲しみが癒えるのはいつの日になるのだろうか――。
(取材・文/芸能レポーター川内天子)

最終更新:7/11(火) 11:00
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