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西武・菊池がたどり着いた“新境地”。パワーだけじゃない、明らかなスタイルの変化

7/11(火) 11:23配信

ベースボールチャンネル

 埼玉西武ライオンズのエース菊池雄星は、今季ここまで8勝4敗の成績を残している。防御率は2.03(7月10日時点)でリーグトップを走っているが、開幕以来すべてが順風満帆なわけではない。

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今季2度目の完封勝利

 今季2度目の快投劇はまるで別人のようだった。いや、新境地を切り拓くピッチングだった。

 西武・菊池雄星が7月7日の対楽天戦で5安打完封勝利。4月21日の日ハム戦以来、相手打線を封じ込める圧巻のピッチングを見せた

「前回、前々回と情けないピッチングで連敗していたので、このままズルズルとは行きたくないと思って臨んだマウンドだった。前半戦最後の登板なので、自分で最後まで行きたいと伝えました」

 球数は6回を終えた時点で107球。同じく完封した日ハム戦は144球を投げたとはいえ、シーズンはもう中盤に差し掛かっている。今季のこれまでの球数を考えれば7回が限度だろう。

しかし、この日の菊池は、いつも以上に体の力が抜け、球数の多さを感じさせないほどキレがあった。

「球数云々じゃなく、投げているボールで判断して行けると思った」

 ふと昨季のある時期、彼が目指していたピッチングを思い出した。

目指す投手像は広島・ジョンソン

 昨年5月はじめごろ。捕手の炭谷銀仁朗が試合前に語った。

「これまでとは違うピッチングになると思う。広島のジョンソンみたいなピッチング。これまでワンパターンのピッチングしかできなかったけど、いろんなバリエーションを増やして幅を広げていけたらなと思います」

 ジョンソンみたいなピッチング―――。分かりやすい。昨季の沢村賞に輝いた彼こそ、菊池が目指すべき投手像だ。
 
「ジョンソンはあれだけの真っすぐを持っていて、サウスポーで、しかも速い。そのジョンソンは『俺は三振はいらない。ゴロを取る投手だ』って言っているじゃないですか。悪い意味じゃなくて、楽できるピッチングだと思うんです。全部、三振はしんどいと思いますから」と炭谷は言う。

 昨年5月4日のオリックス戦で7回2失点の快投を見せた。そこから菊池は新境地にたどり着いたかのようなピッチングを見せていた。

「どうしても、安易に力、力で行ってしまう。銀さんやスタッフとミーティングして、もっとカーブを使って行こうという話をしました。今までも緩急は感じていたことだったんですけど、自分自身が分かっていなかった」

 ところが6月14日の広島戦でわき腹を痛め、戦線離脱。復帰した8月5日の楽天戦は勝利を挙げたが、このときの菊池は炭谷と取り組み始めた“ジョンソンのピッチング”ではなく、パワーピッチングに戻っていた。

 チーム状態は下降線をたどり、さらには若い森友哉を捕手として育てようというチーム方針に切り替わった。炭谷とともに目指した「ジョンソンのようなピッチング」は、5月の1カ月で終わってしまった。

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