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ライヴの“楽屋裏”でイノヴェイションは生まれる:「Sonar+D」現地レポート

7/11(火) 18:50配信

WIRED.jp

毎年6月、20年以上続く音楽フェスティバル「Sonar」を目指して、欧州中からおよそ12万もの人々がスペイン・バルセロナに集結する。なかでも、音楽ファンたちが踊り狂うすぐ横で展開される「Sonar+D」は、音楽とテクノロジーを起点にイノヴェイションの創発を促すプラットフォームだ。大物アーティストが行き交う会場で、新たなクリエイションとビジネスが生まれる現場とは。

【 「Sonar」に出演する日本人音楽家Akiko Kiyama 】

音楽のフィールドを超えて、デジタルカルチャーとテクノロジーのあいだにダイナミックな活性をもたらす。これが2013年に始動したSonar+Dの掲げるコンセプトだ。

2017年は初めてライヴ中心のSonarから1日早めて開始され、大物アーティストやDJが登場するカンファレンス、音にまつわる革新的なプロジェクトの展示が並ぶ「MarketLab」、ワークショップ、スタートアップ企業のピッチコンテスト、投資家や専門家と直に話せるネットワーキングなど、吹き抜けの5フロアに分かれた会場の至るところでイヴェントが開催されていた。

ヒエラルキーのない自由空間

「まるで壮大な楽屋裏にいるようでした」

ヴィジターのほとんどがヨーロッパから来るなか、単身でバルセロナに乗り込んだソニーの戸村朝子は、今年初めて参加したSonar+Dをそう振り返る。

「出演者はもちろんのこと、オーディエンスの質が非常に高いんです。世界的アーティストや投資家、プロデューサーなど、業界のビッグネームたちがすぐ隣でビールを飲んでいて、聞こえてくる会話にはこれからの未来をつくるキーワードに溢れている。どんな立場の人もお互いフラットで、ヒエラルキーを感じません。アメリカ・テキサスのイヴェントSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)とも違うのは、あくまで音楽が中心にあって、その円周上にテクノロジーやビジネスの種が広がっていること。また、アーティストがリードすることが何より重要視されている環境だと思いましたね」

音楽とテクノロジーのショーケースとして、クリエイターのみならず各国の大学・研究機関やスタートアップ企業も出展するSonar+D。主催者側の徹底したルールは、「ブランドフェアではなく、カルチャーのためのイヴェントを貫くこと」であり、全参加者は確固たるガイドラインによって選別されている。Sonar+Dのキュレーター、アントニア・フォルゲーラは2017年のキュレーションについて次のように語ってくれた。

「人工知能、イマーシヴ(没入的)な音とビジュアル体験が今年のテーマでした。これらはトークテーマでもあると同時に、ショウケースのMarketLabや360°ドームシアター、VR専用スペースなど、実際に体感できる場が同時に存在します。それに今年は、音楽産業にまつわるオープンソース、たとえばブロックチェーンやクリエイティヴ・コモンズと音楽の関わりなども重要な問いのひとつでしたね」

「またSonarに出演するアーティストをイノヴェイターとして招き、自身のクリエイティヴプロセスを語ってもらうのは、毎年恒例のセッションです。今年の注目はビョークとDJ SHADOW、そして忘れちゃいけないのがDe La Soulのマネージャー、ブランドン・ヒクソンのトークですね。彼はベテランのHip Hopバンドをいかに甦らせたのか、SNSを巧みに扱いながら、Kickstarterでアルバム制作のファンドを募った過程など、かなり具体的にアーティストのブランディング手腕を語ってくれました」

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最終更新:7/11(火) 18:50
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