ここから本文です

「死のピラミッド」で謎のトンネルを発見、メキシコ

7/12(水) 7:20配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

死後の世界の表現か、テオティワカンの巨大遺跡、メキシコ

 メキシコシティの北東に位置する古代都市テオティワカン。その有名な巨大ピラミッドの地下で、考古学者が秘密のトンネルを発見した。

生贄の儀式のあとに捨てられた頭のない遺体

 トンネルは、この古代都市で2番目に大きな建造物である「月のピラミッド」(最も大きいのは「太陽のピラミッド」)の地下で見つかった、とニュースサイト「インターナショナル・ビジネス・タイムズ」は伝えている。発見した考古学者らは、トンネルはおよそ2000年前に現れた先コロンブス期の文明(後にこの地を支配したアステカ以前にあったと考えられる文明)の信仰において地下にあるとされた死後の世界を表現したものかもしれないと考えている。

 トンネルは長く、「月の広場」として知られるすぐ近くの中央広場からピラミッドへと続いている。地中約10メートルの深さにあり、「ケツァルコアトルの神殿」の地下で見つかったトンネルなど、最近発見されたほかのトンネルと類似していた。

 トンネル内にはまだ誰も入ったことがなく、この発見は、地盤に流した電気抵抗の違いにより地下の様子を画像化する電気探査(比抵抗トモグラフィー、ERT)法によってなされた。メキシコ国立人類歴史学研究所(INAH)の考古学者チームが、中央広場の保護活動の一環としてERTを用いていて、偶然トンネルを発見したのだ。

 埋葬跡で発見された遺体の分析から、月のピラミッドは、人を生贄として捧げるなどの儀式に使われたと考えられており、「死のピラミッド」とも呼ばれる。このトンネルが何のために使われたのかはわかっていないが、考古学者らはさらに調査を進め、その目的や遺物が残されていないかなどを突き止めたいという。

 テオティワカンは、長い間中心的な都市として栄え、複雑な歴史を有しており、その大部分はいまだ解明されていない。先コロンブス期の南北アメリカ大陸で最大の都市のひとつであり、少なくとも12万5000人が暮らしていた。

文=Heather Brady/訳=山内百合子

記事提供社からのご案内(外部サイト)