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岩隈、田中、則本──。楽天「エースの系譜」を藤平尚真は継承できるか

7/12(水) 11:30配信

webスポルティーバ

 開幕から好調なスタートを切った楽天が、ソフトバンクと熾烈な首位争いを繰り広げている。とりわけ興味深いのが試合運びだ。投打ともに自分たちのかたちを持っており、型にはまったときの強さは圧巻だ。

【写真】則本昂大と野茂英雄。 その奪三振のメカニズム

 攻撃では、闘志と技術を兼備した茂木栄五郎が攻撃の先鋒としてチームに勢いを与え、カルロス・ペゲーロ、セローズ・ウィーラー、ジャフェット・アマダーの外国人トリオがあとに控える。その後、茂木が故障で戦線離脱を余儀なくされたが、そこに島内宏明、岡島豪郎がとって代わり、打線のバランスを崩すことなく戦い続けている。

 そして投手陣だ。岸孝之、則本昂大、美馬学、釜田佳直の先発ローテーションに、今も成長を続ける守護神・松井裕樹。中継ぎにはハーバード大出身のフランク・ハーマンと、防御率0.00の福山博之が控えている。そこに今季は、森原康平、高梨雄平、菅原秀のルーキーたちが頑張り、チーム防御率3.15はリーグトップを誇る。(7月9日現在)

 あとはローテーションにもう一枚、二枚加われば磐石だな……と思っていた。普通に考えれば、安樂智大の出番なのだろうが、まだ投球に不安定さが残る。それは辛島航、戸村健次、期待の大型左腕・森雄大も同様だ。そんな中、ファームでひとりの剛腕がジリッ、ジリッと頭角を現し始めていた。

 ドラフト1位ルーキー・藤平尚真だ。

 そんな上り調子の新人に、突然、大役が回ってきたのは、6月16日の阪神との交流戦だった。

「自分は横浜高のエースなんで、終わってみて、試合に勝っていないと意味がないんです。いくら6イニング、7イニング抑えたからといって、勝つ流れをこっちに持ってこなければ、自分の仕事を果たしたとは言えない」

 昨年の夏、横浜高のエースとして甲子園を沸かせた藤平。夏の甲子園2回戦でリリーフ投手として履正社・寺島成輝(現・ヤクルト)との投げ合いに敗れた後、敗戦の悔しさも、高校野球が終わってしまったという感傷も漂わせることなく、淡々と語っていた藤平の姿が印象的だった。

 その同じ舞台となった甲子園で、やはり淡々と、粛々と阪神打線に向かっていった。結果は、5イニングを投げ、5安打、2四球、2失点。敗戦投手にはなったが、デビュー戦としては、堂々のピッチングだった。

 高卒ドラフト1位ルーキーのデビュー戦。周囲の期待も少なからずプレッシャーになるだろうし、なにより初めて対戦する一軍の打者相手に自分がどんなピッチングができるのか不安もあっただろう。しかも、場所は大観衆で埋まる敵地。平常心を保つことさえ難しい状況の中、藤平は周囲の雑音を完全にシャットアウトし、黙々と投げ込んだ。

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