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ゆとり世代が考える「おじさん上司」との付き合い方

7/12(水) 7:20配信

@DIME

 2017年も、もう7月。新入社員が職場にやってきて4ヶ月目だ。彼らの様子はいかがだろうか。新入社員の多くは、いわゆる「ゆとり世代」にあたる若者だろう。本記事を読んでいるということは、やはり読者は彼らに頭を悩ませているのだろうか。

はじめに申し上げると、筆者である私は今年で26歳になる若者だ。がっつり「ゆとり世代」にあたる。そんな私がなぜこんな記事を書いているのか。

2016年4月、「ゆとりですがなにか」(日本テレビ系)が放送され、世間の話題となった。新聞やネットでは「ゆとり世代」をテーマに様々な記事が書かれている。「ゆとり世代」に少なからず問題があるので、世間の関心を買い続けているのだろう。しかしあえて意見を言うならば、ドラマも記事も「上司目線」「おじさん目線」で書かれたものが多い。若者にはない分析力で「ゆとり世代」を解き明かす内容に感嘆たる思いを抱くが、やはり「ゆとり世代」のことは「ゆとり世代」に聞くべきではないだろうか。

そこで本記事では、私の同年代の友人10人にアンケートを取り、「ゆとり世代」の目線から「おじさん上司とゆとり社員の接し方」について取り上げたい。ゆとり社員に頭を悩ます上司のみなさんは、ぜひ参考にしてほしい。

■ゆとり世代から見たゆとり世代とは?

今回は10人からアンケートを得る取材方式だったので、WEB記事で大切な「写真素材」が手に入らなかった。そこで我が友人に協力してもらい、イメージカットに出演して頂いた。ちなみに出演者は本アンケートに関係ない。そしてこのメガネは筆者井上だ。写真に関する苦情はお控えください……。

 そもそもゆとり世代とは、どんな生き物だろうか。我が友人10人から「ゆとり世代の印象」をもらった。その意見を載せていこう。

「礼儀を知らない人が多い。しかもその何が悪いか分かっていない」(26歳/運送)

「自分の意見を言うことが美徳と思っている。『上司にそれを言っちゃまずいだろう』という発言を平気でする空気の読めなさがある」(26歳/卸売業)

「恋愛できない人が増えているし、相手の気持ちが分からない人も多いのでは?」(26歳/小売)

「常識やマナー、暗黙の了解を知らない。年上との接し方がイマイチ分からないのかも。自分の知らないことや分かっていないことを理解しても『ヤバい』と思わない部分がある」(26歳/小売)

(他6名は上記に似た回答)

 見事に否定的な意見が並んでいる。しかも的を射ているところが悲しい。ここに私の意見を追加するならば、ゆとり世代は「現実を知った自由人」ではないかと思う。教育の変化、ネットの発達、地域のつながりの減少などによって、私たちは今までの世代と圧倒的に違う環境で育った。年上と接する機会が減ることで怒られる機会も減った。加えて個性を尊重する教育方針が、私たちをいよいよ伸び伸びと育てた。ネットの発達によって社会の情報や匿名の意見が氾濫し、若い頃から現実を知った。伸び伸びと育ったので、他人との接し方も奔放な部分があり、じっくり接してみると魅力が垣間見えるが、会社という組織に押し込められると、悪い部分ばかり目立ってしまうのではないか。それと同時に、現実を知っているため、会社や組織に否定的な意見も持っており、上司に反発することも多いのかもしれない。

では、本題だ。ゆとり社員とおじさん上司が、職場でより良い関係を築くにはどうしたらいいのだろうか。

■上司と仲良くなりたいゆとり社員は自分からいく

 ゆとり世代10人に「職場のおじさん上司とより良い関係を築く方法」を単刀直入に聞いてみた。回答を得る前の私は、てっきり上司側への批判ばかりが集まるかと予想していたが、意外な反応も得ることができた。まずは批判的な意見をご紹介したい。

「40代以降の上司は理不尽が多いし、自分のことを棚に上げがちな印象がある。飲み会に行けば必ず昔の武勇伝を語り、その流れで説教が始まる。挙句の果てにギャバクラで強制2次会。すべては自分が楽しむため、部下の気持ちを考えず付き合わせる。30代の上司は、みんなで楽しく酒を飲み、みんなで職場を良くするための方法を考えてくれるので、どうしても40代上司より30代上司に寄っていきがち。20代社員との関係を良好にしたいならば、30代社員を参考にするべき」(26歳/卸売業)

「おじさん上司は強烈な指導を受けてきた世代なので、今のゆとり世代に対する『ゆるい指導方法』が分からないのではないか。固定観念も強く、的を射ていない意見を押しつけているときがあり、それに気づいていないのが最大の問題。自分自身に客観的な視点を持ってほしい」(26歳/販売員)

「上司と仲良くなりたいゆとり社員は自分から話しかけにいく。つまりそれ以外は、上司から話しかけられるのを待っているのではないか。何よりまずは仕事上の関係が良好である必要があるので、上司はゆとり社員に対して、根気強く仕事を教え、育てる余裕を見せてほしい。その上で、仕事のグチやプライベートな話を、上司側からしていけば、良好な関係が築けると思う」(26歳/運送)

(他3名も似たような意見であり、強烈なグチだった)

 10人中6人は、おじさん上司に対して批判的な意見を持っていることが分かる。ここまでは予想できる範囲だ。では、他の4名はどんな意見を述べたのだろうか。

■私たちは寛容に育ててもらった世代

今回のアンケートで10人中3人は、ゆとり世代らしい回答をしてくれた。まずはその内容を見てほしい。

「おじさん上司ほど、私たちの世代に偏見を持っているのかなって思う。若者だからっていう目線で接しているときが必ずある。偏見で若者と接するのではなくて、もっと私たちのパーソナルな部分を見つめてほしい。反対に、私たちは寛容に育ててもらった世代でもあるので、上司にも同じ寛容さを求めているところがある。それを許すかどうか、どこまで許すかが難しいですよね。結局、職場は一切関係なく、人間性の問題だと思う」(24歳/運輸)

「ゆとり世代は上司を立てることを知らないから、お互いが歩み寄れずに溝が深まるばかりじゃないかな。昔から年寄りと若者は反発してきたから、自分も同じ状況に陥ったと諦めて、割り切って付き合うことが解決策かも。でもゆとり世代は怒られることや理不尽なことに慣れていないから、それだけは念頭に入れてほしい。この歳になると慣れることはないから」(25歳/インフラ)

「自分自身のことを客観的にとらえ、原因分析し、仕事に活かす方法を知らないゆとり社員が多いと思う。この意識改革は先輩がじっくり付き合ってあげるべき。また、いつまでもゆとり社員に変化がないならば、見本となる先輩社員がいない可能性も考えられる。ゆとり社員にとって尊敬できる先輩が職場にいれば、良い見本となって変わるかもしれない」(26歳/事務)

 悪いところばかり目立つゆとり世代だが、私たちもバカではない。むしろ、伸び伸びと育った世代なので、物事に対して余裕を持って分析する力があるのではないか。双方の視点から問題点を挙げ、解決する方法を述べてくれた。私としては、この3人の回答こそがゆとり世代らしい回答だと思う。

■ゆとり後期がもっとヤバい

残りの1人、「26歳/小売」は、こんな恐ろしい予言をした。

「確かに俺たちはゆとり世代で、至らない部分は色々あるけど、俺たちはゆとり世代の中期くらいじゃないかな?個人的には、ゆとり後期がもっとヤバいと思う。俺の職場の後輩は、あいさつができないし、空気は読めないし、仕事に対して受け身。仕事は真面目に取り組むけど、根本的に欠けている部分があって、その部分に気づけていないところがある。ゆとり世代が騒がれているって言うけど、俺らよりもっと『ゆとり教育』を受けた新入社員が今後入社すると思うから、今の時点で嘆いている上司は、これからもっと苦労すると思う。今のうちにゆとり社員の特性を調べて研究するくらいの気概を持たないといけないんじゃないかな」

この意見はご参考までに……。

 最後に、今回の取材の結論を述べたい。まず仕事上での関係を良好かつ円滑にするため、根気強く社員教育をすること。これが、ゆとり社員とおじさん上司の関係の第一歩となりそうだ。ここでつまずくならば、どちらかの仕事能力や人間性に問題があるので、別の方法で問題解決する必要があると思われる。

 上記のようにまとめてしまうと、「そんなこと誰でも分かってるわ!」と言われそうだ。しかし個人的には、結局どんな世代であろうと、社員教育がすべてだと思う。ゆとり世代も教育不足が今の若者たちを作り出したわけであるし、ゆとり教育を決定したのは大人たちである。どちらかというと、私たちは迷惑に巻き込まれた世代だ。子ども時代の教育の不足分を、職場で徹底して教え込むべきではないか。

取材・文/いのうえゆきひろ

@DIME編集部

最終更新:7/12(水) 7:20
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