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「全国の駅弁を売る店」が東京駅にあるワケ

7/12(水) 5:00配信

東洋経済オンライン

 東京駅の中央通路を歩くと、つねに多くの人だかりができている店がある。その名は「駅弁屋 祭」。入ったことがない人ならば「東京駅に駅弁を売っているところはいくつもあるのに、なぜこんなに人が?」と思うかもしれない。

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 ここは、日本各地の駅弁が集められた「駅弁のアンテナショップ」。東日本エリアどころか、北陸や九州の駅弁もずらりと並ぶ。それゆえに名物駅弁を求めて多くの人がやってくるのだが、なぜ、東京駅にこのような店がつくられたのだろうか。

■駅弁の灯を絶やさないために

 「駅弁屋 祭」ができる前、東京駅には東日本エリアの駅弁を集めて販売する「駅弁屋 旨囲門(うまいもん)」という店が存在した。全国各地の駅弁を常時販売する店ができたのは、かつて年に2回駅弁大会を開いた結果、「駅弁がハレの需要として売り上げが立つことがわかった」ことが理由だと、日本レストランエンタプライズBento事業本部駅弁営業企画部副部長の倉持幸司さんは言う。

 年々、駅弁を製造・販売する業者は減っている。駅弁業者はピーク時には400あったものの、電車のスピードアップによって車内で過ごす時間が減ったり、コンビニが全国に普及したりして駅弁業者は減っていった。現在は100を切っているという。「日本の食文化である駅弁の灯を絶やしてはいけない」(倉持さん)。そんな思いで、全国の駅弁を集めた「駅弁屋 祭」がつくられることになった。

 東京駅につくられたのは、人の多い東京に各地の駅弁を集めることによって、地方の駅弁業者を生き残らせることが狙いだ。広報室副部長の泉和夫さんは「『駅弁屋 祭』で弁当が売れることで、地方の駅弁屋さんが元気になれる」と語る。

 地方では地元の駅を利用する人が少ないため、駅弁を数多く売ることは難しい。「郡山駅の駅弁業者では1日に売れる数が100個いかない。米沢駅では2つある業者のうち、売れているほうでも1日100個程度。これを『祭』で売ればもっと売れる」(泉さん)というわけだ。

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