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通訳ガイドは自ら楽しめ 自己流ツアーでつかんだ極意

7/13(木) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 前回(「商店街の日常、外国人は興味津々 日本海側にも魅力」)に引き続き、訪日旅行ベンチャーのノットワールド(東京・中央)を取り上げる。ツアーに参加した外国人に満足してもらうには同行する通訳ガイド自らが楽しまなければならないというのが、佐々木文人社長(34)の信念だ。正確な説明が第一という固定観念にとらわれないスタイルは、起業してすぐの試行錯誤のなかで培われた。(聞き手は公認会計士・心理カウンセラー 藤田耕司)

■ボスコン辞めた後の世界旅行で「開眼」

 ――2012年、29歳のときにボストン・コンサルティング・グループを辞めて、起業する決断をしました。何が背景にあったのでしょうか。
 「ずっと以前から、30歳をめどに自分で何かにチャレンジしたいという思いがありました。それに一度は世界中を旅してみたいという思いと、どうせ世界旅行をするなら結婚して妻と一緒に行きたいという思いも持っていました。そこで29歳で(サラリーマンを)『卒業』して結婚。1年ほど世界一周旅行をした後、起業しました」
 ――ボストン・コンサルティング・グループを辞めた時点で、どんな事業を始めるのか明確になっていたのでしょうか。
 「いいえ、起業のアイデアは白紙でした。世界旅行は起業に向けてのちょうどいい猶予期間だと捉えていました」
 ――世界中を見て回りながら、今のビジネスにつながる気づきがあったのですか。
 「多くの国で人々のおもてなしの心に触れ、自分自身が世界各地を好きになった経験が大きかったと思います。世界各地の人々を日本に迎え入れ、日本を楽しんでもらいたいと強く思うようになりました。日本には魅力的な観光資源が多く、大きなポテンシャル(可能性)があります。事実、旅先で親しくなった世界各国のバックパッカーからは『日本に行きたい』という声をたくさん聞きました。その一方で『日本は(旅行の費用が)高いよ』とも言われました。確かに、自分たちが海外で利用しているような安宿を日本で探そうと思っても、なかなかありません。それに日本を深く知るための日本発着のオプショナルツアーも少ないです」
 ――インバウンド(訪日外国人)の潜在的なニーズを肌で感じ、問題点も見えてきたわけですね。
 「世界旅行では私たち夫婦のほかに、私の中学時代からの友人で、現在当社の取締役でもある河野有も一部地域で同行しました。そこで彼と話すうちに、インバウンドの分野で何か仕掛けようということになりました。(手軽な簡易宿泊施設である)ゲストハウスを自ら運営し、そこに泊まる旅行者に近隣を巡るツアーを売るビジネスができると考えたのです」
 ――帰国後、順調に事業は立ち上がったのですか。
 「いいえ。まずはゲストハウスの事業を始めようとして、14年1月からゲストハウスで働き始めるとともに、自分たちの物件を探しましたが、1年が過ぎても良い物件を見つけられませんでした。このままじっとしてはいられないと思い、15年1月にツアー事業を始めました。当時、提供できたのは(中央卸売市場がある)築地を3時間半で回る4500円のツアーだけです。最初の1カ月のお客さんは2人、売り上げは9000円でした」
 「当時の私たちは通訳案内士の資格も持っていませんし、観光ガイドの経験もほとんどありません。素人同然にもかかわらず有料でツアーを受注できたことは大きな喜びでしたが、プレッシャーでもありました。とにかく築地という場所の楽しさをゲストに伝えたい、ツアーを楽しんでもらいたい。その一心で、一生懸命にガイドしたことを覚えています」

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最終更新:7/13(木) 7:47
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