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BSプレミアム「SHERLOCK 4」、現代版ホームズが挑む宿敵モリアーティ

7/13(木) 8:15配信

Wedge

 アーサー・コナンドイルの探偵小説・シャーロック・ホームズシリーズの舞台を19世紀初頭のロンドンから現代に舞台を移した、英BBC制作の「SHERLOCK 4」が第1回「六つのサッチャー」(7月8日)で幕を開けた。第2回「臥(ふ)せる探偵」(7月15日)、第3回「最後の問題」(7月22日)のシリーズである。

 ホームズとコンビを組んでいる元軍医のジョン・ワトソン(マーティン・フリーマン)が、物語のなかで共同生活を営む「ベーカーストリート221b」の住所にある建物は「シャーロック・ホームズ博物館」になっている。作者のコナンドイルの執筆に因む品物、写真の展示……。私も昨秋のメディアの研究旅行の途中で立ち寄った。地下鉄のベーカーストリート駅を出ると、長身のホームズの銅像が人々を迎える。

 ホームズが実在の人物と想定して、出生から趣味、人物像などについて知識を競い合う「シャーロキアン」は、世界的な現代版の人気によって増えているようである。それは、シャーロック・ホームズ役のベネディクト・カンバーバッチの魅力によるところが大きい。

 「予感とは世界を覆った網目の揺らぎだ。それがわかれば未来を予測できる」

 ホームズのきざなセリフも彼なら許される。

原作を巧みに現代に置き換えて シャーロキアンを満足させてきた

 今シリーズは、前回の「SHERLOCK 3」(2014年)の最終場面で、スキャンダルをネタに脅迫を繰り返すメディア王を射殺したホームズが、政府の諜報活動を担う兄のマイクロフト(マーク・ゲイティス)によって東欧のスパイ活動に送り込まれた回顧シーンから始まる。

 小型ジェット機に乗り込んでわずか4分後に、ホームズは飛行場に呼び戻される。ビルの屋上で自殺したはずの宿敵・モリアーティがテレビ電波をジャックして「会いたかった、会いたかった、会いたかった……」と繰り返したからだ。

 コナンドイルの原作「最後の事件」のなかで、スイスのライヘンバッハの滝つぼを臨む岩場において、ホームズと悪のネットワークの主宰者であるモリアーティ教授は死闘を繰り広げて、ふたりは滝つぼに落下する。探偵小説の執筆に疲れ、長編文学に挑みたかったコナンドイルは、ホームズを葬り去ってシリーズを終わらせるつもりだったのである。

 出版社とファンたちはこれを許さず、コナンドイルも再開の要望に応えて「ホームズの帰還」シリーズを執筆した。原作では柔術のような巧みな技によって、滝つぼから落下したホームズが助かった筋書きだった。

 「SHERLOCK」シリーズは、原作を巧みに現代に置き換えてシャーロキアンを満足させてきた。「SHERLOCK 2」(2012年)の最終回でビルから落下して血を流して死んだはずのホームズは、協力者である法医学者のモリー・フーバー(ルイーズ・ブリーリー)らと計画を練ったうえで、落ちる途中の階に突入し、死体は入れ替えた。「SHERLOCK 3」(2014年)でホームズは復活して、今シリーズにつながる。

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最終更新:7/13(木) 8:15
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