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日本企業が、非人道兵器「クラスター爆弾」製造企業に4年で約2200億円を投融資

7/13(木) 8:50配信

週刊SPA!

 「非人道兵器」として使用や製造が国際条約で禁止されているクラスター爆弾に、三菱UFJFG(以下、三菱UFJ)、三井住友FG(以下、三井住友)など日本企業が過去4年間で約2200億円に上る投融資をしていることが判明した。

⇒【写真】クラスター爆弾の被害者

 クラスター爆弾とは、空中で親爆弾から数百発の子爆弾が飛び出し、広範囲に地上を攻撃する兵器。軍人も民間人も無差別に攻撃し、10~30%の子爆弾が地雷のように地上に残り、戦闘が終わった後もその地域の人々に被害を出し続ける。米国のアフガニスタン、イラク攻撃で使用され、近年ではシリア内戦でも使用された。

 クラスター爆弾製造への投融資について報告書をまとめたNGO「PAX」のマイッケ・ベネシュ氏は会見で「被害者の94%は民間人、その40%が子供だ。資金を投じなければ企業もクラスター爆弾を製造できない。金融機関は投融資をやめるべきだ」と訴えている。

◆クラスター爆弾禁止条約締約国では日本が最多額?

 PAXの報告書によれば、世界全体で2013年から現在まで、166の金融機関が約310億ドル(3.5兆円)の投融資を行っていて、クラスター爆弾禁止条約の締約国では日本の金融機関の投資額が最も多い。中でも、三菱UFJはPAXの報告書で「クラスター爆弾製造企業との取り引き額で世界7位、融資額3位、投資・銀行業務では5位に入っている」と指摘されている。

 日本の銀行でつくる一般社団法人「全国銀行協会」は、2010年に「クラスター爆弾製造への投融資を行わない」との申し合わせをした。三菱UFJもウェブサイトで、この申し合わせにより「クラスター爆弾製造への与信は行わない」とアピールしている。ところが実際には三菱UFJは毎年のようにPAXの報告書では「不名誉リスト」入りしているのだ。

 こうした問題について記者が三菱UFJに問い合わせると「(クラスター爆弾製造企業とされる)米国の2社について、個別の取引に関してのコメントは差し控えさせていただく」と回答。さらに「より踏み込んだ対応を検討していくことが必要と認識しており、今後、クラスター弾を含む『非人道的兵器』の製造に関わる取引について、専門家の意見も参考にしながら対応していく」との回答を得た。

◆自分の預金が何に運用されているかを意識することが必要

 PAXの報告書の中で、クラスター爆弾製造企業への投融資が指摘された三井住友はどうか。

「取引有無含め回答は差し控えるが、三井住友は『クラスター弾の製造』に関する事業資金を『与信を禁止する資金使途』として明記している」とのこと。

 日本の金融機関は、クラスター爆弾製造自体への直接の投融資は禁じている。しかし、製造企業への投融資は禁じていないことがPAXなどのNGOから指摘されている。つまり「クラスター爆弾製造」に投資はしなくても「クラスター爆弾製造企業」には投資しているということだ。

 地雷廃絶日本キャンペーン理事の目加田節子・中央大学教授は「一般市民も自分の預金が何に運用されているかを意識することが必要」と言う。

「世界で初めてクラスター爆弾禁止の国内法を制定したベルギーでは、市民が政治家に手紙を書くなどして、禁止への議論が高まっていきました。現在、10か国でクラスター爆弾製造企業への投融資を禁止する法律を制定していて、その他28か国でも国内法に違反すると解釈されています。日本でも、クラスター爆弾に融資していない銀行に変えるなど、“お金を預ける側”の意識の変化が必要だと言えます」

取材・文・撮影/志葉玲 写真/時事通信社

― 地球を破壊するニッポンの銀行 ―

日刊SPA!

最終更新:7/13(木) 8:50
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