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習近平肝煎りの中国副都心、歩いてみたら罰ゲーム

7/14(金) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 人事抗争はこの国の風物詩である。5年に1度の党大会をこの秋に控え、習近平政権が、俄に動き出した。上海市をはじめ、重要都市の要職に腹心を送り込む。国外で暮らす企業家や元幹部にも「汚職」の疑いをかけている。さらに奇手を放った。新たな先進都市を河北省に構想し、首都圏機能の一部移転を仄めかしている。さっそくプロジェクト現場を歩くと、何やらきな臭い空気が漂っていた。ノンフィクション作家、安田峰俊氏がレポートする。

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「これは何の罰ゲームだ?」

 ため息をつこうとして、再び肺が重く痛んだ。舗装の剥げた路面を、ホコリと排気ガスを巻き上げてトラックや三輪タクシーが走り去る。

 空気は饐えた臭いがして、頭痛と目眩が治まらない。やがて雨が降り出し、汚染物質を含んだ水滴が私の頬に何本も筋を作った――。

 ここは北京の西南約110km、河北省保定市郊外の容城県である。今年4月1日に習近平の肝煎りで突如指定された副都心・雄安新区の一角だ。深センや上海に匹敵する先進地域に育て上げる計画が提唱されている。

 だが、いざ足を踏み入れた現地の環境はあまりに劣悪だった。貧しさゆえに旧式の工場が多いため、大気汚染の深刻度は北京を上回る。道中の広大な小麦畑は地平線までスモッグの靄に覆われ、外を数分歩くだけで頭痛が襲う。

 交通インフラも貧弱だ。ローカル電車は使い勝手が悪く、保定市内に戻るバスも午後5時になくなる。同じく新区地域に指定された、雄県や安新県に直通する交通手段すら存在しない。

 タクシーの運転手は走行中に価格を釣り上げ、私が抗議すると畑の真ん中に置き去りにしようとした。空気も人気も、間違いなく中国で最低の水準に近い。

「外国人が宿泊可能なホテルはない。どうしても街に滞在したければ、身分証が不要のヤミ旅館に泊まれ」

 これから中国有数の国際都市を目指す土地なのだが、ビジネスホテルの職員はそう言い放った。街には荷物を預ける施設すらなかったため、私は雨に打たれてスーツケースを引きずり、殺伐とした街を何kmも歩き続けるハメになった。

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