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夏フェスが日本になじんだのは、「祭り」文化と似ているからかもしれない

7/14(金) 18:00配信

BEST TIMES

夏フェスと日本古来の祭りの共通点

 夏フェスは、夏の新たな風物詩として定着しつつある。おもに野外で複数のアーティストのライブを一度に楽しめるのが魅力だが、「フェス」というだけあって日本の祭りとの共通点も意外と多いのだ。

 まずは、ライブが盛り上がるとともに自然と発生する「モッシュ」。おしくらまんじゅうのようだといわれるように、オーディエンスが体をぶつけあって盛り上がることをいう。ハードロックなどのライブでよく起こるが、日本の祭りでも同様の光景が見られる。

 たとえば、節分祭の豆まきや、餅まきのような催事では、豆などをゲットしようと押し合いへし合いになる。そこに有名人が登場しようものなら、何も撒かなくても体が押されてしまうだろう。これは夏フェスのモッシュと似た状態だが、驚くことに高齢者が多い集まりでも若者以上に激しい押し合いが繰り広げられる。

 ライブが盛り上がってくると、「ダイブ」という行為も見られることがある。舞台上のアーティストが客席に飛び込んでくる場合もあれば、観客が人波の上へ飛び込むケースも。こうしたダイバーが現れたら、その下にいる人たちは支えあってまるで胴上げのような状態が続く。

 こうした現象を日本の祭りに当てはめると、岩手の蘇民祭が該当するだろうか。ふんどし姿の男たちが蘇民袋といわれる護符の入った袋を取り合うのだが、そこではまさにモッシュ&ダイブが繰り広げられている。祭りの背景を知らずにこの光景を見れば、服を着ていないという点以外は夏フェスのライブ会場かと思うような熱気が充満している。

 しかし最近では、モッシュやダイブを禁止する夏フェスが多く、観客同士が大きな輪を形成して盛り上がる「サークル」というものが出現する傾向にある。見知らぬ者同士が音楽に合わせて一体化する行為は、ノリこそ違えど、盆踊りをはじめとする古来の祭りをほうふつとさせるといったら言い過ぎか。

 また、音楽に合わせて踊るという行為は、日本の祭りにも共通する。同じタイミングで声をあげ、腕を振る姿は、祭りの「ワッショイ」という掛け声や、踊りなどにも通じるものがあるのではないだろうか。このように、夏フェスには日本古来の文化との意外な接点が見いだせるものだ。比較的新しいイベントにもかかわらず幅広い世代に受け入れられているのは、こうした背景があるからかもしれない。

文/文/OFFICE-SANGA

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