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『男のお洒落道 虎の巻』──ファッション・ディレクター青柳光則が説く男服の基本

7/14(金) 12:10配信

GQ JAPAN

メンズファッションと向き合って36年のファッション・ディレクター、青柳光則がファッション本を上梓した。男服の基本を凝縮した一冊について著者みずからが書く。

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■「お洒落道場」師範代

筆者は某男性服飾誌で、「お洒落道場 外伝」という連載の師範代を足掛け5年務めている。そこでは毎回、「春スーツの着こなし」だの「秋のアウター」だのといった四季折々のお題を掲げ、参加者を募り、写真撮影して師範代である筆者が判定を下す、というものだ。開催地も首都圏に限らず、北は北海道から南は熊本、さらに韓国・ソウルや香港にもお邪魔した。

師範代として参加者に接した限りでは、皆総じてストイックなお洒落好き。オジさんのお洒落というと、ちょい悪系の女性にモテ服をイメージするかもしれないが、そうした輩は数名で、とにかく自分のイメージするスタイルの理想に向かってあくなき求道をつづける方のほうが大多数だ。従って、「免許皆伝」なる最高位を授与されるお洒落人ともなると、英国+イタリア+ドメスティックのミックススタイルは当たり前。そこにオーダーメイドが加わったりもする。トレンドだのなんだのという前に、完璧に自分のスタイルを作り上げていて、しかも見た目はあくまで自然。そんな彼らは半端な業界人よりもうんと勉強熱心で、時間とお金を惜しみなく使い、服への造詣も愛も深い。年齢も上は70歳代の方もいて、リタイア後のライフワークとされているという話さえ聞く。

一方で、ブランド至上主義者が根強くあるのも現実だ。基本的に筆者は、ロゴ入りを誇示して装うことにドン引きするし、ブランド名だけで、その人のスタイルを語る記号となりうるのだろうか、とも思う。イタリア・ミラノにある著名なテーラーは、優れたスーツは着る人の個性を引き立てるものだから服が出しゃばっていてはいけない。究極は誰が作ったのか解らないよう自然に着る人に寄り添う、それが理想だと伺ったことがある。いやはや男のお洒落道は奥が深い。

このたび筆者は『男のお洒落道 虎の巻』(万来舎)という本を執筆したのだが、そこでは体験と見聞を頼りに、持論を展開してみた。といのも服飾史家じゃないのだから自分が生まれる前のことを書いても意味がないし、そういう趣旨の本は他にいくつもあるだろう。

■シルエット命

同書の第1章のリードでは「ブランドだ、着こなしだという前に極めるべきはフィット感」と書いた。というのも服はテキスタイル、ディテール、シルエットの三位一体で成り立っている。その中で順位をつけるなら、筆者は一番にシルエットを挙げる。何故なら男のテーラードは誕生から一世紀以上が経過しているが、原型は殆ど変わっていない。しかし、シルエットは時代によって大きく違うし、これはモードの世界においても然りだ。つまり、男にとってシルエットは掛け替えのないデザインなのである。そう考えて行くと極めるべきは着た時のフィット感、そこに尽きるのである。

知的好奇心旺盛の『GQ』の読者諸兄ならそこのところはきっと頷けるに違いない。本書では、フィットの良し悪しをダメ出しから始め、装いの基本、実用、応用を筆者の体験談を元にまとめてみた。気がつけば36年もメンズファッションに携わってきたので、クロニクルとしてもお愉しみ頂けたら、と思う次第である。

青柳光則

最終更新:7/14(金) 12:10
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