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潜入取材!東海道新幹線の安全運行を支える車両保守の最前線

7/14(金) 7:20配信

@DIME

東海道新幹線の高い安全性は、日々の検修(メンテナンス)により維持されている。今回、リニューアルしたばかりの浜松工場で行われる「全般検査」の様子をレポートする。

◎最新機器にロボットアーム。新幹線車両保守の最前線

「安心・安全」が当たり前と普段、何気なく乗車している東海道新幹線。しかし、それを守るべく、乗客の見えないところで日々、車両の保守が行われている。その最大の拠点が浜松工場だ。約6年の歳月をかけて大幅なリニューアル工事を行い、2017年1月、ついに新ラインでの検修がスタート! どんな最新技術が導入されたのか? 様々な車両工場や基地を見てきた鉄道カメラマン・村上悠太が潜入取材した。

 本工事による改善点は大きく3つ。1つは建物の7割以上を建て替え、耐震性や作業環境を大幅に向上させたこと。構内も明るく、かつ広い通路を確保し、移動がスムーズになった印象を受けた。2つ目は検修ラインの効率化。旧工場は、蒸気機関車の修繕をしていた頃と同じ建物配置で、構内が複雑だったため、車両の入れ替えだけでも25回も行なっていたという。それを、一方通行のシンプルなラインにした結果、わずか4回に減少した。さらに、車両をバラバラにして重点的な検査を行う「全般検査」には15日間必要だったが、1日短縮。わずか1日!? と思うかもしれないが、サイクルが速くなれば、その分、営業に早く出すことができる。効率化による大きな成果と言えよう。

 そして3つ目が、最新機器の導入だ。機器の力を借りることで、作業の安全性向上だけでなく、これまで以上に高精度な保守ができるように。例えば、塗装前に行なう「研ぎ作業」。新幹線の先頭車両は複雑な曲面を持つため、これまで手作業だったがすべてロボット化。6本のアームが車体をせわしなく研ぐ様子は、まさに圧巻だ!

 様々な作業が自動化された新・浜松工場だが、作業員のまなざしはかつて同様に真剣そのもの。作業中も指さし、声出し確認を行なう姿が多く見られた。作業が自動化されたといっても「俺たちの目」が新幹線を支えているというプライドを感じた。そんな職人たちによって、安全は守られているのだ。

《 これが東海道新幹線の全般検査だ!》

【1】前作業場へ入場
検査時期を迎えた車両は浜松工場まで自走で回送される。工場内は「アント」と言われる入替用車両に連結したり、仮台車をつけて移動する。

【2】解体場でジャッキアップ
かつて大型クレーンで吊り上げていた工程をジャッキアップ式に変更。ここで車体と台車を分割し、それぞれ別々の工程に運ばれる。

【3】最新の台車搬送車で移動
工場内の台車は専用の搬送装置で自動的に搬送。かつては作業者数人の人力で転がしていただけに省力化と安全性も大幅に向上している。

【4】台車を外し台車検修所へ
台車は大きく車輪とそれを支える台枠で構成される。その2つを分解し、これもまたおのおの別々の工程に回される。モーターなども外す。

【5】部品検修ラインで解体&清掃
パーツはコンピューターで管理。格納庫からの出し入れはもちろん、工場までの搬送も無人搬送装置で行なうなど、すべて自動化されている。

【6】先頭車をロボットで研磨
新工場で一番の目玉といっても過言ではない大迫力の工程。新しい塗料のノリをよくするために、ロボットアームで古い塗料を削り取る。

【7】水性塗料をロボットで塗装
湿度温度の徹底管理が必須な水性塗料を使用するために新設計された塗装ブース。外気への影響もほとんどなく、環境への影響も少ない。

【8】ジャッキアップして車体艤装
車体、台車ともに検査の工程を終えると、再びジャッキで1つの車両に組み合わせる。ここまでくれば「全般検査」もいよいよ終盤となる。

【9】トラバーサーで出場線へ
車両を水平移動させる「トラバーサー」で出場線へ移動。ここで16両編成に戻され、試運転ののち営業運転に復帰する。出発進行!

取材・文・撮影/村上悠太

※記事内のデータ等については取材時のものです。

@DIME編集部

最終更新:7/14(金) 7:20
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