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「東京転居で結婚できた」女性の運命の出会い

7/14(金) 6:00配信

東洋経済オンライン

 私事だが、35歳のときに再婚して今月で丸5年が経過した。住んでいるのは愛知県蒲郡市。豊橋駅で新幹線から在来線に乗り換えて10分ほど、低い山と三河湾に囲まれた島っぽい雰囲気の地方都市である。

 トヨタ関連企業の大きな拠点がないこともあって、住民の入れ替わりは少ない。良くも悪くも流動性が低く、まったりとした空気が流れている。

 匿名性も低い。外食店やスーパーで知り合いと顔を合わせることが異常に多いのだ。夜は真っ暗になり、大半の人がそれぞれの家庭で過ごす。10代20代のうちだったら世間が狭すぎて息苦しい気がするが、筆者のような「晩婚さん」が穏やかに暮らすにはちょうどいい場所だと感じている。

■東京は「独身&晩婚の天国」? 

 取材や打ち合わせで月に10日ほどは東京に滞在している。独身時代に長く住んでいた杉並区の西荻窪駅前を訪れることも多い。通勤ラッシュ時でもないのに真っすぐ歩けないほど大勢の人がいる。蒲郡ならば花火の日以外は考えられない人波だ。新しい店もどんどんできている。なじみの飲食店の店主によれば、常連客の入れ替わりも少なくないらしい。人数の多さ以上に、出入りの激しさが東京の特徴なのだと改めて思う。

 東京には高学歴・高収入の独身者が多いことも地方都市とは違うと感じる。30歳を過ぎてもなんだか「キャピキャピ」している。周囲に独身者が多くて夜も明るいので焦燥感や孤独感を覚えにくい、地方出身者の場合は遠く離れた実家からのプレッシャーはかかりにくい、そもそも家庭生活よりも仕事や遊びを重視したいので東京に住んでいる、などの理由が考えられるだろう。

 エネルギッシュな独身者が無数にいて、しかも流動性が高い大都会。婚活しても友人知人と出くわしてしまう危険性は低い。地方在住者からすれば、東京は「独身&晩婚の天国」と見えるかもしれない。

 「30過ぎで大学院卒の私が、田舎で結婚相手を見つけるのは無理だと思いました。東京に出てきてよかったです。30代で独身の高学歴女性が多いので、気が楽になりました」

 ここは中央区の月島にある川沿いの蕎麦(そば)店。夫の英樹さん(仮名、32)と一緒に来てくれたのは、都内の医療機関で働いている伊藤綾子さん(仮名、37)。黒いブラウスに金色のアクセサリーがよく似合う細身の美人だ。3年前に関西地方から上京し、婚活サイトに入会。英樹さんのほうからアプローチがあり、翌月には結婚を前提とした交際を始めた。その年末に2人は入籍を果たす。

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