ここから本文です

ヤクザの世界は人種差別がないと信じて、この世界に入った

7/15(土) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 六代目山口組から分裂した神戸山口組からさらに分裂。「任侠団体山口組」というユニークな名前を掲げ、“3つの山口組抗争”を引き起こした男には、「在日」というルーツがあった。ヤクザ取材の第一人者であるノンフィクション作家の溝口敦氏が、彼に「ヤクザと在日」の新時代を見る。

 * * *
 4月30日に神戸山口組から分裂し、「任侠団体山口組」を結成した織田絆誠代表(50歳、以下敬称略)は依然、暴力団業界の「台風の目」だ。神戸山口組では若頭代行をつとめ、山健組では副組長に上った実力者である。

 山健組から3分の1の勢力を引き連れ、神戸山口組の直参とも語らって今回、新団体を立ち上げた。直系組が55団体。大勢力である。

 主張するところは、六代目山口組の司忍組長、高山清司若頭、神戸山口組の井上邦雄組長、正木年男本部長の4人は引退せよ、トップは中堅、若手が毎月組に納める会費(上納金)で飯を食うな──など、業界革新の気に溢れて過激である。織田が説明する。

「ヤクザにとって大事な盃事を否定するのが本意ではないんです。ただ山口組では五代目・渡辺芳則組長以降、この30年間、盃が諸悪の根源になって来た。

 盃を下ろした側(組長)は子分に対して、白い物を黒いといっても許されると考える。盃を下ろされた側(直参、直系組長)は親分からどんな理不尽なことを言われても、飲み込む、耐え抜いてこそ子分だといった変な美学がまかり通っている。

 盃を下ろすまでは、組長になる人はそれぞれいい人なんです。が、下ろしたとたん、子分からお金の吸い上げ自由、自分の勝手と考える。こういった盃なら要らないということです。

 しかるべき人物が現れ、トップになっても変わらないと確信できた段階で、組長の座にお迎えしたいと考えてます」

 事実、「任侠団体山口組」では組長を置かず、親子盃、兄弟盃もしない。月会費はオール10万円以下。カネがかかるから他団体と交際せず、本部事務所も置かない。

1/2ページ