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アウディ『Q2』買うなら1.0リットルと1.4リットルどっちが正解?

7/15(土) 8:30配信

@DIME

 アウディのメインのモデルラインナップは、Aから始まる『A1』から『A8』。ほかに『R8』や『TT』のようなスポーツカーもあるが、さり気な~く粛々とラインナップを広げてきたカテゴリーにSUVの「Qシリーズ」がある。これまでアウディのSUVシリーズにはフラッグシップの『Q7』、ミドルサイズの『Q5』があり、2012年に『Q5』より小さな『Q3』が日本で発売を開始。そして先日、『Q3』よりもひとまわり小さいSUVの『Q2』が発表された。それはこれまでのアウディのラインナップのなかでもSUVのなかでも一味違うユニークさが体現されたモデルと言えそう。

 デザインのモチーフはポリゴン=多角形。と言っても全体のフォルムは後席のヘッドクリアランスやボディサイズ以上の広さを保つラゲッジなど、実用性を保つ”カタチ“をしている。しかし8角形のフロントグリルやボンネットのより立体的を強めるライン、ボディサイドの陰影を個性的に表現する造形など、これまでのアウディでは採用されていないデザイン手法が、『Q2』の個性を際立たせている。

 さらに言えば、8角形のフロントグリルは意図的に高めに配置しSUVらしさを、一方で低いルーフラインや一直線に伸びる長いルーフスポイラー、『R8』のようなココだけ(Cピラー)カラーを変えたブレード採用などはクーペらしさを意識したという。結果、ディテールの凝ったコンパクトなSUVは違和感なく個性を感じられるデザインに仕上がっていると思う。

 ブラック&メタルで統一されたクール&モダン系のインテリアは、アウディの最新コンパクト系モデルたちのデザインの流れを汲む質感の高さとシンプルさが特徴。最近は他ブランドでもセンターパネルに配置したディスプレイ中で様々なコントロールの行えるモデルが増えているが『Q2』にもアウディの最新モデルたちの流れを汲むディスプレイが採用され、ダッシュボード上のソレで様々なメニューを選び操作を行うことができる。

 さらにコネクティビティ機能では従来の3Gに比べ10倍の速さが嬉しいLTE通信の利用が可能。クルマの中がWi-Fiスポットにもなり、自分のスマホを接続できるほか、様々な通信サービスを車中で利用することもできる。運転席に目を向ければ、オプションで選べるバーチャルコクピットの存在も大きい。

 メーターパネルに12.3インチの液晶カラーディスプレイを採用し、計器類やドライブ情報のほか、ナビやエンターテインメントのメニューなどを表示&操作できるのだ。ボディサイズにかかわらず『Q2』でもこのような最新技術を選べるというのは、ボディのダウンサイジングを考える方々にとって魅力ではないか。その点においては先進の安全運転支援システム=セーフティパッケージも同様。ただしモデルによっては選べない場合もある。標準装備でないことが残念。

 全長4200mm×全幅1795mm×全高1530mmのボディサイズのその中のパッケージングは申し分なし。ちなみに全幅1800mm以下、さらに最小回転半径5.1mという『Q2』の扱いやすさは間違いなく、心強い。ラゲッジは5人乗車の状態で405L、また6:4で二分割できる後席を倒し収納スペースとして利用した場合は最大1050Lにまで拡大する。このラゲッジ、フロア高を低めに設計されているため、荷物の出し入れも行いやすそうなのもいい。

 パワートレーンは2種類のエンジンラインナップに7速の「Sトロニック」(マニュアルトランスミッションベースのAT)が組み合わされ、駆動方式はFFのみ。「クワトロ」(4WD)の設定がないのがちょっと残念だ。試乗車のメインはシリンダーオンデマンド付きの1.4LTFSI(4気筒インタークーラー付ターボ)エンジンを搭載するモデルだった。

 150ps/250Nmのパワーとトルクの備えあれば、何もいうことはない。アクセルを軽く踏めば滑らかに走り、少し強く(多く)踏み込めば鋭い加速を力強くする。その速さや力強さはクラスを超えたパフォーマンスが与えられているといっても過言ではない。ステアリングフィールはやや重めく、乗り心地はやや硬い。

 おかげでハンドリングはカッチリとした印象が強く、ワインディングではほどよい下半身のドッシリとした安定感とボディ剛性の高さも相まって、SUVという背の高いモデルでありながら狙ったラインどおりに走ることができた。『Q2』1.4Lはフェイスやヘッドが小さくてもスイートスポットが広く感じられ、コントロールしやすいゴルフクラブやテニスラケットみたいだ。

 と、ここまでで今回のインプレッションは終わる予定だったのだが、運よく1.0LのTFSI(直列3気筒インタークーラー付きターボ)エンジンを搭載するベーシックモデルのハンドルも握ることができた。ちなみに『Q2』は排気量によって装備に大きな違いはなく、“sport”というグレードを選ぶと17インチタイヤが標準装着となり、セーフティパッケージも標準装備される。1.0のベースグレードは16インチタイヤが標準サイズだった。でもこれがまた悪くない。

 急遽書き加えたその訳は、実は『Q2』らしさは1.0Lのほうがより濃いのではないかとすら思えたのだ。小さくでも濃く、そして軽い…。グン、グンと走る1.4L、対して、クン、クン、ク~ンと走る1.0L、そんな感じで違う。

 発進時、タイヤの1転がり目=蹴り出しから軽快とわかる『Q2』1.0Lはそのまま加速を続けても軽々と走る姿勢は変わらない。アクセルを強く踏み込めば1.4Lのようにシャープな加速が得られるフィーリングは変わらないが1.4Lほどの太いトルク感ではなく、しかし確かに芯のある加速感は物足りなさを抱くようなものではない。

 それに7速ATのシフトアップの繋がりもよく、制御もドライバーの欲しい加速に忠実に応えてくれる印象がある。この日、フル加速まで試みるような走りはできなかったものの、小気味よくシフトアップとともに加速する『Q2』1.0Lのアクセルペダルの踏み込みを途中に留めても、「この先、まだいける」と思える潜在的なトルクの存在を足裏に感じることもできた。

 小さくて、濃くて軽い、『Q2』1.0Lは、乗り味のカッチリ感にパワートレインの軽快さやステアリングフィールの適度な重さ、乗り心地などが合っている。目に見えない動力のチームワークに優れるおかげで一塊のボディに軽快さが生まれ、中味の濃いモデルになっているという感じだ。また『Q2』1.0Lの車重1310kgはこのクラスとしては平均的。

 しかし1.0Lターボエンジン+7速ATで走る性能は他にはなく、この軽快感も他では得られない。果たして、アウディ中、最もコンパクトなSUVは、最新の電子&ネットネバイスを活用したコネクティッドとパッケージングを持ち、この動力とそのおかげで生まれるドライブフィール、そしてデザインが融合し、アウディのラインナップのなかでも他にはない個性と持つ存在になりそうだ。1.0L推しではあるが、グン、グンと走る1.4Lがちょうどいいカーライフもあると思う(苦笑)。

 それにしても…。今回紹介している『Q2』1.4L sportsの価格が405万円。ベーシックモデルが299万円なのだけど、現段階ではセーフティパッケージがSportsでのみ選べるという。すると『Q2』1.0L sportsが魅力的だけれど364万円。最近、輸入車含めますますコンパクトSUVの世界が活気づいているけれど、押し並べて大きさの割に割高感は否めない。

取材・文/飯田裕子

@DIME編集部

最終更新:7/15(土) 8:30
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