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介護にかかるおカネは800万円がメドになる

7/15(土) 6:00配信

東洋経済オンライン

 老後の不安というのは、さまざまなものがあります。中でも健康は極めて重要な関心事です。どんな生活、どんな仕事をするにしても健康であることが、何よりも重要なことだからです。もちろん、いくら健康に気をつけていても、ずっと病気にならないという保証はありません。いつ何時病気になるかもしれませんし、親だけでなく自分が要介護になることだって、起こりうることです。

 そこで、老後において、そうした医療や介護にかかる費用はいったいどれぐらいかかるのか? ということについて考えてみたいと思います

■老後の費用で最もわからないのが介護のおカネ

 実は、この金額を正確に把握するのは極めて困難です。FP(ファイナンシャルプランナー)でも人によってさまざまな意見があります。老後に必要なおカネで、最も一律に「〇〇万円」と言いにくいのが、この介護費用です。

 理由は2つあります。まず、病気も介護も、多くの場合、突然訪れます。私の場合も元気にしていた母親が突然倒れて寝たきりになるということを経験しました。しかも、それがいつまで続くのかが、まったくわかりません。したがって介護や医療にかかる費用をあらかじめ読んでおくことは、とても難しいのです。

 2つ目は、どの程度まで受ける医療・介護のサービスの質を求めるのか。それによって、かかる費用がまったく異なってくるということです。しかしながら、そうはいっても、だいたいどれぐらいの準備をしておいたほうがいいのか、というのはかなり切実なことでもあります。そこで、大胆に必要な金額を出してみることにします。

『定年男子 定年女子』という本を私と一緒に書いた社会保険労務士でFPの井戸美枝さんは、現状では、医療と介護を合わせ合計800万円ぐらいあれば、「まあまあのサービス」を受けられるのではないかとおっしゃっています。

■少なくとも550万円以上は準備を

 実際に介護した人を対象に調査したデータを見てみましょう。生命保険文化センターが2015年に行った「社会保障に関する調査」では、1人当たりの介護費用は約550万円となっています。内訳は毎月かかる介護費用が約8万円、介護にかかる期間が平均で4年11カ月ということで、累計472万円(=8万円×59カ月)。さらに住宅の改修など、一時的にかかる費用が約80万円となっていますので、トータルで約550万円ということです。

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