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実在した海賊には『ONE PIECE』に負けないストーリーがあった!?

7/15(土) 20:00配信

ダ・ヴィンチニュース

 国民的マンガとして広く認知されている『ONE PIECE』(尾田栄一郎/集英社)。その圧倒的な人気を支える一因として、魅力的なキャラクターたちの存在が挙げられる。尾田栄一郎先生は、かつて本当に存在した海賊の名前をキャラクターに引用していたこともあり、その海賊の面影がキャラクターにリアリティを与えている。そこで今回は『世界の海賊辞典』(クリエイティブ・スイート/宝島社)、『海賊旗を掲げて 黄金期海賊の歴史と遺産』(ガブリエル・クーン:著、菰田真介:訳/夜光社)の2冊より、実際にあった海賊の歴史を振り返りつつ、ワンピースのキャラクターのモデルとなった海賊を2名ご紹介したい。

■海賊の存在理由

 大昔から現代まで、海賊は常に存在し続けている。たとえば「倭寇」は、日本に実在した海賊として誰もが知っているし、2010年4月には、ドイツ船籍の貨物船「タイパン」を襲った「ソマリア海賊」がオランダ軍兵士によって逮捕された。ドイツでは400年ぶりに「海賊裁判」が始まり、それを耳にした人々は公開討論会やデモ行進など、非常に関心を寄せて社会現象となった。

 いつの時代も海賊は社会的・政治的・経済的に大きな影響を及ぼしている。私たちのイメージとは異なり、海賊は私利私欲のためだけに船を襲っていたのではなく、国家の政治的もくろみを背景に貿易船を襲い、敵国にダメージを与える役割も担っていたのだ。

 長い歴史の中で海賊たちの黄金期と呼ばれるのが、15世紀から17世紀にかけての大航海時代。そのきっかけとなったのは、様々な国を征服したスペインだった。当時、流通していた世界通貨は銀であり、銀を制したものが世界を制すると言われていた。そんな中、スペインはメキシコとペルーに大銀山を発見。結果、スペインは強豪国の1つとなった。

 しかしフランス、イギリス、オランダは、それをよく思わない。スペインは敵国も同然だったのだ。この国々は、スペインに経済的ダメージを与えるため、海賊を利用して船を襲撃させるようになる。海賊が得た金品は王室に献上。王室はその盗品を売却し、莫大な現金を得て、国家財政を運用して国力をつけていった。より国力をつけるため、海賊の航海の費用や船の調達をさらに支援した結果、海賊たちは大きく活躍するようになった。これが海賊の黄金期だ。

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