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DC、NISA、個人年金… 老後資金作りはどれがいい

7/16(日) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 老後のための資産形成は20~30歳代のうちから早めに取りかかるとメリットが大きい。数十年かけてお金をコツコツと増やすため、日々の家計の負担になりにくいうえ、税制上の優遇があるからだ。保険会社が扱っている個人年金保険、2018年に始まる「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」といったコツコツ方式の資産形成の仕組みを理解しておこう。
 「月々1万5000円の保険料ならなんとか出せるし、お金を確実に増やせる仕組みだから」。奈良県の会社員、A子さん(35)は5月、住友生命保険の個人年金保険「たのしみワンダフル」に加入した。保険料を60歳まで払い、65歳から10年間で計474万円の年金を受け取る予定だ。
 生保各社はマイナス金利による運用難から4月、個人年金保険の商品設計の基礎となる予定利率を下げた。駆け込み効果により2016年度の新規契約は約193万件と、前の年度に比べて約5割増加。大手生保では新規契約者の約半数を20~30代が占めている。

■個人年金は税優遇が魅力

 一般的な個人年金で複利の利回りを計算すると年0.2%ほどだが、将来受け取る年金が保証されるため、運用リスクを負いたくない層からの人気は4月以降も根強い。日本生命保険は「運用実績に応じて払う配当金を含めると通常、利回りはもう少し高くなる。17年度の新規契約は駆け込み前の15年度とほぼ同じ水準になる見通し」という。
 個人年金の人気にはもう一つ大きな理由がある。保険料が一定の計算式で所得控除できることだ(表A)。所得税で最高4万円、住民税で同2万8000円が控除されるため、節税効果を試算すると、年収300万円の人で4800円。年収700万円で配偶者控除がなければ1万円を超える(表B)。
 ファイナンシャルプランナー(FP)の竹下さくら氏は「若いうちに加入すれば所得控除の利点を長期で受けられる」と指摘する。加入するなら早めが有利というわけだ。40代後半くらいになると月々の保険料は高くなり、教育費や住宅ローンの負担から支払う余裕がなくなるかもしれない。
 注意したいのは中途解約すると、解約返戻金が支払った保険料総額を下回るケースが多いこと。急に現金が必要になったり、有利な運用商品に乗り換えたくなったりしても対応しづらい。FPの高橋忠寛氏は「将来インフレになる可能性も考えると、低金利で長期間、お金を寝かせるのはリスクがある」と指摘する。
 総務省の家計調査によると、30代世帯の貯蓄のうち投資信託など有価証券で運用されているのは約6%。40代の9%、50代の13%などに比べて低い。しかし運用期間を長くとれる若年層は短期的な相場で一喜一憂しなくてよく、本来はリスク投資に向いている。運用リスクを負って老後資金づくりに取り組む場合はどんな手段があるだろうか。
 有力な選択肢の一つが確定拠出年金(DC)だ。勤め先が掛け金を出してくれる「企業型」と、企業型DCがない場合などに自分で掛け金を出して加入する「個人型」がある。個人型は今年から加入できる人が増え、「iDeCo(イデコ)」という通称を目にする機会も多い。
 DCは投信や定期預金などを自ら選んで毎月積み立て、その巧拙により60歳以降に受け取る年金が増減する。途中で現金を引き出すことはできないが、運用先は変更可能。運用中は売却益や分配金などが非課税で、税金が20.315%かかる一般の取引より有利だ。
 資産が運用中に税金で目減りすることがないため、利益が利益を生むいわゆる「複利効果」が働きやすい。期待リターンを高めるには株式などで運用する投信を買うのが有効。企業型の場合、会社によっては自分で掛け金を上乗せする「マッチング拠出」ができるので、積極的に利用したい。

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最終更新:7/16(日) 7:47
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