ここから本文です

楽天は首位を守れるのか? 鍵握る「左偏重打線」と「魔の日程」【パ後半展望】

7/16(日) 10:30配信

ベースボールチャンネル

 マイナビオールスターゲーム2017も終わり、いよいよペナントレースは後半戦に突入する。セ・リーグは広島カープが2位に8ゲーム差をつけて独走態勢。パ・リーグは東北楽天ゴールデンイーグルスと福岡ソフトバンクホークスが2強を形成、埼玉西武ライオンズ、オリックス・バファローズが追う展開だ。ここからどうペナントは変化していくのか。今回はパ・リーグ後半戦を展望する。

井口資仁、7つの偉業。30本40盗塁に自由契約でMLB、そして…。球史に残る内野手の歴史

■先発ローテ崩して首位ターンの楽天

 オールスターブレイクを控えた7月11、12日の楽天VSソフトバンクの天王山。策士・梨田昌孝監督が動いた。

 それまでのローテーションを崩し、則本昂大と岸孝之の2人を先発にそろえた。首位を守り切り、いい形で前半戦を終えたかったからだろう。この手腕こそ、梨田監督が過去に2度の優勝を果たしたゆえんと言える。

 追われる展開の後半戦では、梨田監督の手腕が大きく左右することは間違いない。鍵を握るのは、左打者偏重の打線をどう組み直していくかだ。

 楽天打線は、けがで離脱中の茂木栄五郎を含めて左打者が多い。島内宏明、ペゲーロ、岡島豪郎、銀次。この偏りをカバーするため、アマダーとウィーラーの外国人2人、今江年晶とスイッチヒッターの松井稼頭央がいるのだが、ウィーラーを除けば、期待ほどの活躍をしているとは言い難い。

 そもそもパ・リーグには先発の左腕が楽天以外には少なく、前半戦は左偏重の打線でも乗り切れた。ソフトバンクの千賀滉大をはじめ、北海道日本ハムファイターズの有原航平、千葉ロッテマリーンズの涌井秀章、オリックス・バファローズの金子千尋など右の好投手を打ち崩し、勝利を重ねてきた。

 対左腕では、西武の菊池雄星に3敗を喫しているが、そのほかは日本ハムの加藤貴之、オリックスの松葉貴大くらいしかローテーションを守っていない。そのため左偏重の打線は、調子を崩されることがなかったのだ。


■各球団は左腕投入で楽天打線に対抗

 しかし、シーズンが佳境に入ってくるとそう甘くはない。西武は楽天戦3戦3勝の菊池を今後も楽天にあてようと画策していると聞くし、キューバ人のモイネロを支配下登録したソフトバンクは、好調の嘉弥真新也を勝負所で投入する策を講じるだろう。

 オリックスは松葉に加えて、10日の日本ハム戦でプロ初完封を挙げた山崎福也がいる。この日、山崎が投じた魔球のようなチェンジアップは、後半戦の台風の目となるかもしれない。

「対楽天」をそれぞれのチームが強く意識したとき、左偏重打者をいかに崩していくかがテーマになってくる。

 前半戦、梨田監督は対菊池に限って、茂木や島内、岡島を打線から外すことが多かった。これではいつまでも菊池を打ち崩せないという見方ができる一方、梨田監督にも浅からぬ狙いがあるのだろう。

 3度目の対戦となった7月7日の試合では島内がスタメンに入り、2安打をマークした。完封負けを喫したとはいえ、左打者だけで5安打を放った。菊池対策の布石を打っているようにもみえた。


■楽天は7週連続の6連戦、過酷日程の先発起用が鍵

 そして、もう一つ、楽天にとって鍵となりそうなのが日程だ。

 前半戦の楽天は6連戦が少なかった。そのため1週間に6人の先発投手を用意する必要がなかった。エースの則本昂大、美馬学、岸孝之で3勝、中継ぎの豊富さで1週間の戦いを優位に持っていくことができた。

 しかし、オールスターブレイク後は過酷な日程が待ち受ける。

 7週連続で6連戦を強いられる日程だ。他チームは、ソフトバンクとロッテの6連戦はいずれも3度、日本ハムとオリックスは1度だけ。6度ある西武と、楽天が苦しい戦いになるのは間違いない。

 この日程をどう乗り越えるか。まずは先発だ。3本柱と6勝を挙げている辛島航のあとを継ぐ先発投手を誰にするのか。塩見貴洋、安樂智大、釜田佳直、森雄大などを前半戦に競わせてきたが、どういう目論見が梨田監督にあるか気になるところだ。

 一方、他球団は首位・楽天をどう引きずり降ろすのか。

 先述のように左腕投手をいかに楽天戦に用意するかだ。ソフトバンクにはファームに大隣憲司、山田大樹が控えているが、彼らが戦力になるか。あるいは、先発は現状の基本線を変えずに、勝負所で左腕を投入するという戦いに持っていくかだろう。
 
 西武は菊池の出来次第ということになるだろう。彼にとって「対ソフトバンク」というのも一つの課題になる。エースの存在感をソフトバンク戦でも示すようになれば、チームは大きく前進できるはずだ。

 4位・オリックスは投手陣が豊富にそろっている。金子、ディクソン、山岡泰輔が安定している。復活が待たれる西勇輝、投球内容は悪くない松葉貴大がいて、山崎福は魔球を携えてきた。

 後半戦は17日に火ぶたが切られる。楽天は日本ハム、オリックスとの6連戦が待ち受ける。ソフトバンクは西武と3連戦、1日空けてロッテとの3連戦。西武はソフトバンクの後、日本ハムというスタートだ。オリックスはロッテと2連戦のあと、2日空いて楽天とぶつかる。

 楽天はこのまま首位を突っ走るのか。策士・梨田監督に他球団がどう太刀打ちするかに注目だ。


氏原英明

ベースボールチャンネル編集部