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「アニマルフリー」 動物素材に背を向けたカッコよさ  高級ブランド、新素材にシフト

7/16(日) 15:00配信

NIKKEI STYLE

 「合成皮革=安っぽい」「毛皮=ゴージャス」。ファッション市場で、そんな旧来の価値観が大きな転換期を迎えている。エコロジー思想の浸透が、毛皮(ファー)やダウン(羽毛)、皮革など動物素材を使わない「アニマルフリー」という取り組みに発展。イタリアのジョルジオ・アルマーニ氏ら、今年の秋冬物以降毛皮などの不使用を宣言するデザイナーが続出している。背景には消費者の環境意識の高まりがあるが、もう一つ見逃せないのが代替となる新素材を使った商品の進化。発色の良さや軽さなどの特長を「従来素材よりもいい」と感じる消費者は多い。

■デザインと機能性を両立

 数年前、イタリア国営放送がすっぱ抜いた衝撃的な映像が欧州で話題を呼んだ。仏有名ブランドのダウン採取現場で、生きたままガチョウの羽毛をむしり取る。もがく鳥たちの姿を映し、今の手法が「動物虐待にあたるのでは」と告発した。

 「欧州ではこの映像を契機に『残酷なダウン採取をするブランドは買わない』という人が増えた」。こう話すのは衣料品輸入販売の栄進物産(東京・品川)ファッション事業部の市原淳セールスマネージャーだ。

 同社が注目したのが2013年創業の伊ブランド「セイブ・ザ・ダック(あひるを救え)」のコート。その名の通りダウンを使わず、化学繊維製の「プラムテック」と呼ぶ中綿を使用。表地も伸縮性に富むハイテク生地だ。速乾・通気性に優れファッション性も高い。「エコ時代のトレンドになる」とアプローチし、今秋冬から日本展開が始まった。

 セイブ・ザ・ダックを運営するフォレスト(ミラノ)のニコラス・バルジ社長は老舗仕立屋の3代目。有名ダウンブランドの元商品企画担当者らと商品を開発、欧米で成功を収めた。価格は仏「モンクレール」、伊「ヘルノ」といった高級ダウンを下回る6万2000円(税別、ロング丈)。今後1年は主要百貨店で露出を増やす。「エコを意識する百貨店から引き合いが多く消費者の関心も上々。タイミングがよかった」と市原マネージャー。

 というのも、アルマーニ氏が全商品で毛皮の使用を廃止すると宣言。米「セオリー」は来シーズンから毛皮不使用、仏「パラブーツ」は一部の靴でアザラシの毛皮使用廃止に取り組むなど、アニマルフリー・ムーブメントが盛り上がってきたからだ。

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最終更新:7/16(日) 15:00
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