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オヤジナリティー全開!溝の口で出会った闇市風立ち呑み屋『I』

7/16(日) 17:10配信

@DIME

オヤジナリティー全開の闇市風立ち呑み、溝の口・Iの評価

オヤジス度    ★★
エルドラ度    ★★
オヤジナリティー ★★★

 今回の店。手強かった~! っていうか、呑み屋って結構ローカルルールがあったりするじゃない?

 特に秘境系だと、たま~にあるんだよね。過去にも焼酎を炭酸とかで割りたければ、外の店で買ってきて持込む店とか書いたじゃん? そういうその店独自のルールというか飲み方。あと他にあったかな、ないか。“たま~に”って今書いたけど、正確には“極々たま~に”だね。

 まぁちょっとしたローカールルールなら、ある程度場数踏んでる酒好きならば、直感的にどうにかなるんだけど、今回の店はなかなか大変でしたよっていう、ローカルルールがなかなか手強い店の話!

 川崎市に溝の口って駅がある。東急の田園都市線とJRの南武線の交わる、川崎西部では一番くらいに大きい駅。でっかいショッピングビルとかあるしさ、駅前はペデストリアンデッキなんつう、一体語源は何語だよ? っていう歩道橋が広場になっちゃったようなのが広がってる駅。

 ちなみに知らないまんまってのも気持ち悪いからペデストリアンって意味調べたら“歩行者”だってさ。そんだけ。

 で、その溝の口の駅に“西口商店街”っていう小さな商店街があるんだけど、ここがもう完全に戦後そのまんまなの。もう闇市時代から開発に完全に取り残されたというか、かたくなに拒否してるっていうか。渋い呑み屋もあるって噂は聞いてたんだけど、なかなかいく機会なくてね。

 で、この前その近くに用事があったんで行ってきた。

 いや、もうリアルに闇市。南武線の線路に貼りついたような細い歩道に、、今じゃ見かけないようなトタンの屋根がアーケードっていうか雨よけみたいに天井を覆っててね、線路との間には所々スダレなんかかけてある。

 で、その通りに何軒も呑み屋はあるんだけど、3軒くらいは通りにテーブル出して、外で立ち呑みになってるような店がある。

 午後4時くらいにいったんだけど、もうその時間から通りを一部占拠してる人はけっこできあがっちゃっててさ。そういう人は当然、夏だからジャンバーじゃなくって必ずキャップかぶってんの。60才超えて『Young Spirit』なんてワケわかんないロゴの入ったキャップ。

『いきなり焼酎ナカが2つの謎!』

 そんな出来上がってるキャップオヤジの天井はボロボロのトタンだったりしてさ。知らない人が突然目隠しされてココに連れて来られたら、

「タイムトリップしたかな…」

 って思っちゃうような空気満載! で、オレもそんなオヤジに紛れて、商店街の駅から見て一番奥にある、一番秘境感が出てる『I(仮名)』って店に入った……っていうか、入るをクソもなく、商店街の通路に並んだテーブルっつうかカウンターの前に立って「一人いいすか?」なんて呑み始めることにしたんだよね。でも、ここでまず焦った!

 あ、ちなみにこの『I』って店。通りに面した立ち呑みの部分以外に、小さな屋内の店舗もあるんだけど、やっはその通りに面した立ち呑みスペースが強烈なの。さっき戦後そのまんまて書いたけど、『仁義なき戦い』の一作目に出てくる闇市みたいだもん。

 で焦った話ね。さて何呑もうかって段になったら、この立ち呑みの部分、メニューがないんだよ。すくなくても見えるところにメニューらしきもんは張ってもないし、置いてもない。

『ビール』の張り紙はあったんだけど、そんな金持ちが呑むようなもん頼むのもヤボだしさ、チラって横のオヤジ見たらホッピーの瓶があったから、こりゃいいやってんでホッピーの白を頼む。

 そしたらなんていわれたと思う? 普通は氷の入ったジョッキ(まぁ氷のない三冷の店もあっけど)に焼酎の中が、この手の店だとジョッキの3分の1くらい入ったのと、ホッピーの瓶……いわゆる外が出てくるじゃない? ところがこの店の若い店員がいきなりこういったの。

「中、最初に2つくらい出しておきましょうか?」

 って。これは聞かれたの初めての質問だったね。

 どういうこと? って思ったよ。焼酎入ったジョッキをいきなり2つくれるのかと思った。でもわかんない時は、そういう“お薦め”に対しては、とりあえず「おねがいします」って知ったような口聞いとけばいいから、そう答えたの。

 店員も、「わからないけど、知ったように答えてるな」って気付いても、わざわざ「知らないのに知ったかぶりして!」なんて指摘しないしさ。そこらは客と呑み屋の阿吽の呼吸ですよ。で、何が出てきたかったって話ですよ。

 なんと、氷以外なんも入ってないジョッキとホッピーの瓶と、それに、ドリンク剤くらいの小さな瓶に焼酎が満たされたヤツが2本出てきた!

 ようするに、この店、焼酎の中っていうと、このドリンク剤のビンに入れた焼酎をくれるんですよ。これはオレ、初めてのタイプだった。で、そのドリンク剤のビンってのが面白い!

『男が燃えるドリンクの秘密』

 ドリンク剤のビンみたいなヤツね、ちゃんと店の名前の書いてあるラベルが張ってあるんだよ。

 ラベルの左端に縦書きで『串焼き I(仮名)』って書いてある。でもって、その中央には横書きで、

『男の燃える酒 焼酎』

 なんて男らしい筆文字が書いてあんの! おまけにラベルの地の色が金色でさ、そこに筆文字だし、“焼酎”って字の回りが赤い四角で囲んであったりしてさ、もう焼酎っていうかもろ、

『赤マムシッ!!』

 って感じなの。それをジョッキにトクトクと一本入れてホッピー注いで。でツマミは目の前に焼き台とガラスの冷蔵ケースみたいのがあって、そこに串焼きの素材が入ってたから、シロとカシラを一本ずつ塩で頼んで。この焼き物はおいしかった。値段わからないけど、まぁ100円くらいでしょ。

 でその後も中を2本追加して。そのたんびに店員さん、気をつかって、

「氷もいれましょうか?」

 っていうんだけど、まぁ氷入れてもだんだ薄くなるだけなんで、オレはいらないんだよな。せっかくドリンク剤システムっていういちいち氷いれなくても済むシステムなんだから、氷はなしのがいいよ。

 でさ、串焼きうまいんで、ハツだったと思うんだけどもう一本頼んだの。あとネギも頼んだかなァ。その時はホッピー4杯目だったんだけど、ハツが来た頃にはホッピーなくなっちゃってさ、だからもう一杯くらい酒も頼もうって段になって困った! あと1~2杯でそろそろ店も変えたいんで、また4杯呑まなきゃならないホッピーじゃ多ぎるし、でも他のドリンクメニューがどんなんなってるかわからない。

 とりあえずチューハイはあるだろって思ってチューハイを頼む。そしたら、

「チューハイってなに?」

 みたいな顔するワケ。こっちもエ~ッウソォ~ってなってさ。したらサワーならあるっていわれて、ホッピーピバレッジのレモンハイのリターナブル瓶見せてくれて。まぁ王冠見たワケじゃないから中身は別会社のヤツかもしれないけど、「アア、それをぜひ」なんつって。それで結局、割ものが瓶で出てきちゃったからまた2杯飲んで。チューハイのない店ってあるんだな~って思った。そっか、炭酸出す機械がなくて瓶だけでやってるとこだと、そういうパターンもあるんだね。勉強になった。

 ちなみにドリンク剤に入った焼酎。ラベルがオリジナルだから、どっかのメーカーに焼酎ごと作らせて瓶詰めしてもらってるのかと思ったら、店ででっかい焼酎ボトルから一本一本店員が手作業でいれてた! オヤジナリティーだなァ~!!

 結局酒が6杯に串3~4本で移動。会計をいくらか記憶しておこうと思ったんで領収書をもらった。今サイフから取り出してみたら1610円。システムも覚えたし、またそっち方面行ったら寄らないとな~。

 この後は結局もう2軒、同じ商店街で飲んで、ダメ押しで隣の通りのスナック行って、お金が足んなくて、ママに千円まけてもらったっていう話もあんだけど、それはまたの機会に。

文/カーツさとう

@DIME編集部

最終更新:7/16(日) 17:10
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