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年50%の値上がりも期待できる!?アンティークコインの魅力

7/16(日) 8:50配信

HARBOR BUSINESS Online

◆海外では収集家が多いことで知られるアンティークコインの実力

 熱い視線を集めるビットコインと対照的な“コイン”にも近年注目が集まっている。リアルに存在し、さらに年季の入ったコインだ。その正体は「アンティークコイン」。海外では収集家が多いことで知られているが、近年、日本でも投資対象として人気が出始めているのだ。

⇒【資料】アンティークコイン値上がり率

 そもそもアンティークコインとは、100年以上前に発行されたコインの総称。その希少性故に、一度火がつくとすさまじい値上がりを見せるという。例えば、コイン収集家の間では知らぬ人のいない「1839年ヴィクトリアのウナとライオン5ポンド金貨」(通称ウナライオン)は、’11年に1000万円弱だったにもかかわらず、’15年9月のオークションで約1億円の値がついたのだ! こうした値上がりは一部のコインに見られるものではない。イギリスのナイトフランク社の’17年版レポートによれば、コイン市況は12年で約3倍にまで上昇しているのだ。なぜか? トレーディングリブラ代表の石山幸二氏は「そもそも値下がりリスクが低い」と語る。

「中には不人気で値を下げるコインもありますが、希少で数が限られているため、下げたときに“投げ売り”するような人はいないんです。一方で、新たに作ることができないため、数が減ることはあっても増えません。鑑定会社が細かく状態をチェックして評価するので、同じ種類のコインであっても値がまったく異なる。数が限られているから、取引されるたびに高値で売買されて、評価額が上がっていくコインのほうが多いんです。私が購入しているコインで利回りのいいものは年率50%以上値上がりしています」

 ユニバーサルコインズ社長の西村直樹氏も次のように語る。

「コインの相場はこの20年間右肩上がりですが、特にリーマンショック後の’08年頃から大きく上がり始めました。多くの金融商品が激しく上下に変動するなか、希少性の高い“レアコイン”のこのような特性に富裕層が注目したため、人気に拍車がかかりました」

 石山氏によるとアンティークコインには大きくわけて6つの利点がある。

「1つは値上がりしやすいこと。2つめに、保管やメンテナンスが楽。コインは特製のケースに入っており傷つく心配はなく、金庫内での保管も容易。3つめは、金と同じように世界中で同じ価値を持つため売りやすい。4つめは契約が不要であること。なかには億を超える価値を持つコインもあるのに、不動産取引のように煩わしい契約が必要ありません。5つめは偽物を掴まされる可能性が低いこと。大手コインディーラーやオークションで鑑定済みのコインを購入するのが一般的だからです。ラストは、予算に合わせた投資が可能であること。数十万円代から世界に1枚しかない数億円相当のコインまで価格帯は幅広い」

 さらに、税制面では購入金額より資産評価額が低く見積もられる傾向にあるため、例えば相続の際などにもメリットが多いのだとか。

 では、実際にどのようにアンティークコイン投資を始めたらいいのか?

「初心者にはヨーロッパよりアメリカのアンティークコインがおすすめ。ヨーロッパのコイン市場はアメリカの8~10分の1程度。コインの状態がよくないものも多い。売りやすく買いやすいアメリカを選びましょう」(石山氏)

◆押さえるべきポイントは「流通数」と「大きさ」

 実は、アンティークコイン業界は、PCGS社とNGC社という2つの鑑定会社に支えられている。両者のサイトにアクセスすれば、各コインのグレードに準じた価格や流通枚数などの詳細なデータをチェックすることが可能。そのなかで、石山氏が最も注目すべきと語るのは枚数。「同じグレードの流通量が10枚以下」のものが長期的に値上がりしやすいという。

「希少価値の高さから、値下がりリスクが非常に低いのです。そのうえで、1オンス(約30g)を超えるコインを選ぶといいでしょう。1/2オンスのコインなども多く存在しますが、見た目からして大きなもののほうが人気化しやすいのです。やはり、大きいほうがコインに施されたデザインが映える。ただし、この2つの条件を満たすコインは100万円以上することが少なくありませんが……」

 初心者であれば“残存10枚以下”ということを重視したほうが得策だろう。一方、西村氏は「芸術点」に注目。

「私の経験則では、総発行枚数が1000枚以下で、図柄が美しいものは収集家の間で人気化しやすい。富裕層は投資目的だけでなく、コレクションすることを目的としている方も少なくありませんから。国王よりも女王の肖像のような、パッと見たときに美しいと感じるコインを選択するといい」

 とはいえ、初心者には無数にあるコインを探して、セレクトするのは骨が折れる作業……。ズバリ、おすすめのコインはないか? 石山・西村両氏推薦のコインが上の3つ。

「本当は500万円以上のレアコインがお薦めですが、初心者は毎年何らかのアニバーサリーに合わせて発行される記念コインから始めてもいいでしょう。値崩れしにくく、流通量が多いために30万~40万円という手頃な価格で購入できます。長期間保有し続ければ、価格帯は、ある程度のリターンも見込める。“コインフェア”などに足を運べばすぐに購入できるので入門コインとしてお薦めです」(西村氏)

 なお、入手方法はオークションやコイン専門店、ネット通販などが一般的。海外勢との交渉を代行する業者も数多く存在しているというから、興味のある人はお試しを!

◆爆騰したアンティークコインの数々!

・オーストリア「フランツ・ヨーゼフ1世〈雲上の女神〉」100コロナ金貨

英名:Austria Franz Joseph I gold Proof 100 Corona 1908 PF63 NGC

’10年4月 $4,887.50

→’17年1月 $28,200 年利82%

オーストリア史上最も長く即位した皇帝の治世60周年記念金貨。裏面に「雲上の女神」が描かれている

・チェコスロバキア「1932年10ダカット」金貨

英名:Czechoslovakia Republic gold 10 Dukatu 1932 MS64(NGC)

’13年1月 $7,637.50

→’17年1月 $17,625.00 年利57%

「馬上で剣を持つヴァーツラフ1世」が表に描かれている。裏面にはチェコのライオンとスロバキアの盾

・イギリス「ジョージ6世 1937年」5ポンド金貨

英名:George VI gold Proof 5 Pounds 1937 PF66 UCAM(NGC)

’07年5月 $4,312.50

→’17年1月 $30,550.00 年利70.8%

「英国王のスピーチ」で知られるジョージ6世の金貨「UCAM」はプルーフ(鏡面仕上げ)の最高グレードを指す

・アメリカ「パナマパシフィック50ドル オクタゴナル」金貨

英名:1915-s Panama-Pacific 50 Dollar Octagonal MS65(NGC)

’07年1月 $86,250.00

→’15年8月 $123,375.00 年利18%

パナマ太平洋博覧会の資金調達のために製造された金貨。重量83.59gという大型金貨ということもあって高騰

◆値上がりするアンティークコインを見分ける方法は

【1】1オンス以上の大型を狙え!

さまざまなサイズがあるが、1オンス(約30g)は人気。小さなコインよりも高い値がつきやすい

【2】残存枚数10枚以下が吉

理由は需要と供給のバランス。この条件を満たすものは値上がりしやすく、何といっても値下がりしづらい。総発行枚数ではなく、“同じグレード”の残存枚数

【3】総発行枚数1000枚以下は堅い

こちらも需要と供給のバランスから。この条件を満たすものは500万円からの価格帯が多くなるが、値下がりしづらく、大幅に“跳ねる”可能性も高くなる

【4】鏡面仕上げは蒐集家に人気

コインは資産の側面とともに“コレクション”としての一面も持つ。よって、同じコインでも鏡面仕上げ(PF=プルーフ)はその美しさから人気が出やすい

【5】モチーフは男性より女性

希少価値に加え、美しさがものを言うアンティークコイン。皇帝や王様よりも女王など女性がモチーフのコインは美しさがあり、人気につながる

◆初心者向けアンティークコイン

・1982年モナコ「グレース・ケリー大公妃」試鋳金貨

1954年に映画『喝采』でアカデミー主演女優賞を受賞したモナコのグレース・ケリー大公妃の10フランコイン。発行枚数1000枚。裏面には試鋳貨(量産前にサンプルとして作られたコイン)である「ESSAI」の文字が

・1902年フランス「エンジェル」100フラン金貨

100フラン金貨というとナポレオンがモチーフになっているものが有名だが、こちらも人気。1878~1906年、1907~1914年と長期にわたって発行されたこともあり、国際的にもよく取引されている

・2017年イギリス「エリザベス2世」5ポンド金貨

今年、女王エリザベス2世のサファイア・ジュビリー(即位65周年の節目を記念する日)を称えて製造された金貨。「DCAM」とは「ディープカメオ」の意で、PCGS社が鑑定したプルーフコインの最上級グレード

◆アンティークコイン錬金術

・厳選したコインの多くは年50%も値上がりする

・残存10枚以下の希少コインほど低リスク

・収集家が好む芸術的なコインを狙うべし

【石山幸二氏】

トレーディングリブラ社長。コイン投資スタート後、2年で1億5000万円稼ぐ。著書に『超富裕層だけが知る資産防衛の裏技 アンティークコイン投資』

【西村直樹氏】

ユニバーサルコインズ社長。コインの購入から売却まで全面的にサポート。著書に『海外富裕層がやっている“究極”の資産防衛アンティークコイン投資入門』

取材・文/高城 泰 加藤純平(ともにミドルマン) 図版/ミューズグラフィック

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最終更新:7/16(日) 14:49
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