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東大合格校に異変! 公立トップへ、横浜翠嵐「熱血教員団」のすさまじさ

7/17(月) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 横浜市の名門県立高、横浜翠嵐高校。東大合格者数は2000年には1人にまで落ち込んだが、17年は34人と躍進し、「東大合格校に異変」と話題になった。難関大学の受験で中高一貫校の優位が続くなか、都立日比谷高校に次いで「公立校の逆襲」の台風の目となっている翠嵐。どんな教育をしているのか。JR横浜駅に近い翠嵐を訪ねた。

■進路は高1で7割が決まる

 「うちの子も東大に行けるのでは」。翠嵐は夏に中学3年生の保護者や生徒を対象にした学校説明会を開くが、そこに参加したある保護者は教師陣の力強いプレゼンを聞いて、そう感じたという。
 翠嵐の佐藤到校長は入学前に生徒や保護者に進路実現のための学習と生活習慣の心構えを示す。1枚の紙には、「横浜翠嵐高校1年生としての覚悟をもって入学してきてください」と明記している。翠嵐に合格できるレベルの生徒の学力なら、十分に東大を目指せる。ただし、家庭での学習は平日は学年+2時間、休日は学年+4時間をすすめている。授業の予習・復習を徹底するなら、塾に通わなくても、志望大学に合格はできる。ガイダンスグループのサブリーダーの中村悠人教諭は「進路は高1での学習と生活習慣で7割が決まる」と強調する。
 公立高校から東大に――。掛け声だけなら誰でも言えるが、翠嵐は明確な実績を出している。16年入試を見ると、東大現役合格者は18人。浪人を含めると20人なので、なんと9割が現役合格だ。公立高では現役合格率が6割を突破するのも難しいとされる。「このとき、あと一歩で不合格だった生徒もたくさんいました。その結果、17年の東大合格者は浪人13人、現役21人の計34人になり、過去最高になったわけです」と、佐藤校長は目を細める。

■学習時間をチェック

 翠嵐はどう学校改革を進めてきたのか。佐藤校長は「改革がスタートしたのは10年前です。当時の校長先生が校内での全国模試導入や土曜授業、学習オリエンテーションを実施して、進学実績を高めてきました」という。近年では家庭での学習時間調査や生徒が先の見通しを立てやすくするための進路についての集会、個々の生徒の学力・学習状況を教員が共有するための検討会なども実施している。
 佐藤校長は「どれも生徒をガチガチに管理しようとしているのではありません。これを基に現在の状況を共有し、生徒と教員の向く方向をそろえるためです」と話す。
 16年卒の担任でもあった中村教諭はいう。「実は16年卒の高1入学時の家庭学習時間は平均して1時間38分と目標の3時間を大きく下回っていました。教員側もこれではいけないと思い、もっと生徒の心に火をつけるような授業のやり方を考えました。ノートも細かく添削するなどして、先生たち全員でがんばったのです」
 中村教諭には回顧談がある。「学生時代にある予備校で、生徒をやる気にさせる、すごく面白い講義を聞いて考えさせられました。高校でこんな授業を受けたかったなと。そんな思いで教師になりました」

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最終更新:7/17(月) 7:47
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