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購読者に恥をかかせる朝日新聞 --- 梶井 彩子

7/17(月) 9:37配信

アゴラ

国を歪ませる一部メディア

7月10日に行われた加計問題を巡る閉会中審査で、翌日の新聞で朝日新聞は加戸前愛媛県知事の「我慢してきた岩盤に国家戦略特区が穴を開けた。ゆがめられていた行政が正されたというのが正しい」との発言を報じなかった(毎日新聞も詳報ではこの発言に触れている)。朝日的にはこの発言は「報じる価値なし」だったのだろうか。もちろんこの一言で加計問題の疑問がすべて解消されるわけではないが、隠すから余計にこの発言が核心だったのではという評価まで出てきてしまう。

安倍政権をこの問題で庇いたいとは全く思わないが、モリカケ問題で政権を「お友達ばかり優遇してフェアじゃない」と批判している新聞が、自らの紙面でアンフェアとみられるようなことをやってはいけない。

こうした姿勢は、世論に「全否定で来るものには全肯定で対抗するしかない」とか、「アンフェアにフェアでは対抗しきれない」という過ちを引き起こさせる。そうでなくとも「横柄な政権側に対して前川さんは正義の人『っぽい』」とか「前川は出会い系バー男だけど加戸さんは誠実『そう』」という印象論どうしの主張の対立が横行している。

第一次安倍政権とメディアの対決は、メディアの勝利だった。だからこそ、反メディア(特に反朝日新聞)派の人にとって、安倍晋三は「悲劇のヒーロー」になった面がある。今また、2月の森友問題から始まって、「加憲」発言で一段ギアを入れ替えたメディアの計5カ月にわたる攻勢によって支持を失っていく安倍総理を、支持者たちは「メディアに殺させるな!」と熱烈支持する姿勢を見せている。

こうなってくると、「倒閣など考えてもいないが、安倍政権には注文を付けたい」「安倍にやめてほしいとは思わないけれど、加計問題って政府側もすっきりしないよね」くらいのスタンスの人間は立つ瀬がない。そう言われても批判すべきはしなければならないが、安倍政権への部分的批判さえメディア擁護のように受け取られかねないし、「倒閣か安倍護持か」の両者の圧力にかき消されかねない。これを言論状況がゆがんでいると言わずしてなんとするか。言論のゆがみは、ひいては政治や国そのものの在りようをゆがませる。

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最終更新:7/17(月) 9:37
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