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献体した遺体はその後どうなるのか?

7/17(月) 8:13配信

ライフハッカー[日本版]

科学のために遺体を提供する「献体」について、あなたも耳にしたことがあるはずです。しかし、それが実際何を意味するのかをご存知ですか? 今回は、あなたが医学の研究と教育のために遺体を提供したときに、実際何が起きるのかについて解説します(ここでは、個別の臓器や組織の提供については扱いません)。

【画像】献体した遺体はその後どうなるのか?

閲覧に関する注意:以下、遺体に関して、気分を害する内容が含まれている可能性があります。加えて、本稿は米国内向けの記事の翻訳であり、日本国内の事情について語ったものではない点をお断りしておきます。

「献体」は何を意味するのか?

献体とは、死後、自分の遺体をまるごと医学の研究のために提供することを意味します。一般的には、医学生やフィットネスインストラクターを教えるための解剖の授業や、外科手術の訓練に使われます。

Mary Roach氏は、有名な著書『Stiff: The Curious Lives of Human Cadavers(邦題:死体はみんな生きている)』のなかで、提供した遺体の(少なくとも)一部が、整形手術の練習に使われる可能性があることに、驚きと懸念を表明しています。”医学の発展のために”提供した自分の遺体が、鼻の整形手術の練習に使われることを知ったらさぞ無念にちがいない、と書いています。とはいえ、Roach氏は、整形手術を行う外科医にも訓練が必要であり、提供された遺体をそうした用途に使うのは正当であるとは認めています。署名した後に自分の遺体がどこへ行ってしまうのか、どのような用途で使用されるのかを確実に知る方法はありませんが、あなたの献身に心から感謝し、敬意を持って遺体を扱ってくれる機関はたくさんあります。

遺体はどのように扱われるのか?

献体を考えている人の多くが、死後、自分の遺体がどのように扱われるのかに不安を感じています。もちろん、理由がないわけではありません。医学生たちが、遺体をもてあそび、衣装を着せたり、おかしなニックネームをつけて笑いあったりしているのは昔から知られています。もし、あなたの遺体が学生たちによって冗談のネタにされ、記念写真を撮られたりしたらどうでしょうか?

ありがたいことに、そうした愚行のほとんどは過去のことであり、メディカルスクールでも、学生たちに対して、遺体に感情を寄せ、敬意を表すことを教える取り組みを積極的に行っています。

この春も、ニューヨーク州ドブス・フェリーにあるマーシーカレッジで、Anatomical Donor Appreciation Ceremony(献体寄贈者感謝式典)が開かれました。生体組織コンプライアンスオフィサーであるFerdinand Esser博士が一遍の詩を読み上げます。同氏は、「寄贈してくれた人たちの惜しみない献身の心に想いを寄せなければならない」と強く訴えました。提供された遺体(静かなるメンター)への学生たちからの感謝の気持ちが、厳かな音楽とともに、スライドショーに映し出されます。各テーブルには、献体者のイニシャルが記されたLEDキャンドルがいっぱいに詰まったガラスのボウルが置かれていました。

マーシーカレッジでSchool of Health and Natural Sciencesの副学部長をしているKathleen Golisz博士によれば、この式典は、献体者に敬意を表したいと望んでいた学生たちによって発案されたものなのだそうです。「今では、多くの大学が遺体を使った解剖学の授業をやめてしまいましたが、私たちは、そこからしか学べないものを学ぶ機会を与えてくれるものだと強く信じています」とGolisz博士は話します。同氏は、献体をしてくれた人ちが病気やケガとともにどのように生きたのか、その生涯に思いを馳せたいのだと熱っぽく語ってくれました。

作業療法の大学院生であるEmily Feitさんは、この式典を独自の視点から眺めていました。彼女は3歳のとき、アイオア大学に献体した祖父に捧げられる式典に出席しました。20年後、こんどは献体した祖母のための式典に参列します。そして今回が、彼女にとって3回目の式典となります。

Feitさんは、自身の研究を通して経験する、献体に対する感謝の気持ちと、その体がかつて営んでいた人生について思いを巡らせるときに感じる感慨について語っています。「今私の手の中にあり、詳しく観察することができるこの組織が、かつては誰かの体の一部であって、ひとりの人間として人生を営んでいたのだと思うと、感動で胸がいっぱいになります」 「この体に宿っていた奇跡のことを想うのです」

こうした、教員や学生が表す畏敬の念と興奮、遺体に対する敬意を見れば、献体を考えている人も安心感を覚えるはずです。

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