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自民党、都議選で惨敗 下村都連会長は自身の加計疑惑否定できず

7/18(火) 12:55配信

週刊金曜日

 東京都議会選挙(7月2日投開票)で自民党が歴史的敗北をする一方、「都民ファーストの会」が圧勝。

 自民党本部で2日20時から開票を見届けていた都連会長の下村博文・幹事長代行(元文部科学大臣)は、敗因について「国政の問題が都議選に影響した」と述べたが、自らの加計問題の『週刊文春』(7月6日号)の記事については「加計学園から献金はもらっていない。選挙妨害だ。法的な手段を考えている」と反論した。

 同誌記事で注目されたのが、板橋区(定数5)。下村氏の元秘書が3人立候補、自民公認の河野雄紀氏と松田康将氏が共に落選、都民ファーストから立候補した平慶翔氏が当選したが、下村氏は『文春』発売当日の6月29日の会見で平氏が同誌にリークした可能性を指摘。平氏が秘書時代に使い込みをした上にパソコンを持ち出したことを認めた署名入りの上申書までを配布したのだ。

 しかし、平氏は「上申書は偽造文書」「リークもしていない」と反論(同誌も平氏からのリークを否定)、両者の間で法廷闘争に発展するのは必至の情勢だ。

「もし偽造文書なら『下村氏は選挙中にガセ情報を流して平氏を落選させようとした』という公職選挙法違反の疑いが出てくるが、本物ならば、平氏がウソをついたことになり、同じ罪に問われかねない。自民党と都民ファーストの全面対決となるのは確実」(永田町ウォッチャー)

 実際、翌30日の会見でも小池百合子都知事(都民ファースト代表。当時。)は、対決姿勢を鮮明にした。「『文春』の報道、下村氏の元秘書が(都民ファーストの)候補になっていますが、下村氏は会見で『(『文春』に)リークをした』と言っているが、実際はどうなのか」と聞くと、小池知事はこう答えた。

「私は存じませんし、下村さんもしっかりと説明されるのだろうと思います。(加計問題の本質にかかわることではないかとの問いに)加計問題も、やはりお友達でずっとやってこられたことの問題で、『権力が集中することによって歪みが出てくる』という一つの表れだと思います」

“内部告発者”の信頼を貶めることで「利益供与を受けた下村氏が、文科大臣時代に加計学園ありきの道筋を作ったのではないか」という疑惑解明の本筋から目を逸らす手法にも見え、前川喜平・前文科事務次官の告発のときと二重写しにもなる。

【問われる説明責任】

 愛媛県今治市の情報公開文書(出張記録)によると、今治市企画課長と課長補佐は2015年4月2日、「獣医師養成系大学の設置に関する協議」のために内閣府などに足を運んだが、直前になって官邸訪問が決定、15時から16時半まで打ち合わせをした。一方、同じ時間帯の15時35分から安倍首相は下村文科大臣(当時)と面談しているのだ(首相動静より)。「首相と文科大臣の面談に今治市職員が同席、加計学園ありきに向けた相談をしたのではないか」と疑われても仕方がない根拠があるのだ。

 野党の追及に安倍政権は「確認はできない」と答えるだけで、文書を出していない。そこで、下村氏の会見で「内閣府から全然資料が出ていない。第三者による検証、閉会中審査や臨時国会を開いて説明責任を果たす考えはあるのか。“(今回の『文春』記事で)疑惑は深まった”と国民は受け取ると思うが」と聞くと、下村氏は「(『文春』が)疑惑が深まるような書き方をされているので、きちんと説明をさせていただいた」と答えた。

 下村氏は「『文春』の記事は選挙妨害」と強調しているが、加計学園側が関連企業や関係職員らにパーティ券購入を呼び掛けたことを否定する根拠を示していない。「加計グループからの献金に応える形で、加計ありきになるよう働きかけをした」という疑惑は拭い去られたとは言い難いのだ。

 今治市の7000ページ以上の公開文書に対して、政府の情報公開は皆無に等しいが、こうした隠蔽体質(説明責任不足)も都議選惨敗の一因になったのは確実。安倍政権の今後の対応が注目される。

(横田一・ジャーナリスト、7月7日号)

最終更新:7/18(火) 12:55
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