ここから本文です

4割は来季に。近藤健介が「打ち出の小槌」みたいにヒットを打つ秘密

7/18(火) 8:00配信

webスポルティーバ

名コーチ・伊勢孝夫の「ベンチ越しの野球学」連載●第4回

《プロ野球も前半戦が終了した。巨人の13連敗や則本昂大(楽天)の連続2ケタ奪三振記録など、見どころは多かったが、今季の前半戦を語る上で忘れてはならないのが近藤健介(日本ハム)の「4割挑戦」だ。残念ながら腰部椎間板ヘルニアの手術のため今季中の復帰は難しくなってしまったが、そのハイレベルなバッティングは野球ファンに衝撃を与えた。近藤とは、いったいどんな打者なのか? これまで打撃コーチとして、中村紀洋をはじめ多くの大打者を育ててきた伊勢孝夫氏に、独自の視点で解説してもらった》

■名打撃コーチが言う「広島と阪神のバッターの決定的な差」

 コーチとして選手を預かるとき、最初に着目するのがその選手の長所だ。もちろん、短所はすぐ目につくし、気になる。しかし、短所を直そうとするあまり長所が消えてしまうのは、よくある本当の話だ。だから、短所には目をつぶり長所を見る。これはコーチとしての、いわば鉄則だ。

 私なりに感じる近藤の長所は、まずボールを長く見られる点だ。細かなことを言えば、軸足である左足のタメがしっかりできているから、ボールをより手元(キャッチャー寄り)で見ることができる。僕らは「軸足にちゃんと(体重が)乗っかっている」という表現をするのだが、彼はまさにその見本と言える。しっかり体重が乗っているから、上体の動きが少なく、目線もぶれない。

 私の知る限り、今の彼のバッティングは去年あたりから会得したものだろう。以前から見ていたが、明らかに変わったのは昨年からだ。

 また、しっかりボールを見られるから四球も選べる。近藤自身「その気になれば、狙って四球を選べる」と言っていたようだが、たいした自信だ。それだけ好調時は、ボールが見えていたということだろう。

 プロの選手としては決して大きくない体(173センチ)で、あれだけのフルスイングができるパワーも見事だ。

 これだけのバッティングを築き上げたのは立派のひと言だが、ここに至るまでの過程が気になる。彼がどんな思いでバットを振り、バッティングとどう向き合ってきたのかということだ。

 それを紐解くカギが、打球方向に表れている。印象ではいつも逆方向(センターからレフト方向)に打っている感じがあったが、実際にデータを見ても、6割強がセンターからレフト方向だった。いかにパワフルなスイングといえども、あの体で逆方向にホームランを放つのは至難の業だ。引っ張らなければホームランはない。言い換えれば、ホームランを捨てて、今のポジションを掴んだ。私はそう感じている。

1/3ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sportiva

集英社

Sportivaムック
4月13日発売

定価 本体1,472円+税

フィギュア特集
『羽生結弦 平昌への道』
■ヘルシンキの激闘
■宇野昌磨、本田真凜ほか