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アデコ、「難民の労働市場整備」に関する白書を発表

7/18(火) 22:12配信

オルタナ

人材大手のアデコグループ(本社:スイス)は6月、「難民の労働市場の整備」に関する白書を発表した。世界中で難民が増加する中、移住先の国々で職に就けることはあまり多くない。だが、同白書では難民の労働環境を整備することが、GDP成長につながると分析している。イケアやスターバックス、ソフトウェア大手のSAPなどの事例を示し、企業や行政に向けて雇用の整備を提言する。(辻 陽一郎:オルタナ/Sustainable Brands Japan)

国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)のグローバル・トレンド・レポートによれば2016年末で、国内外に逃れた難民・避難民は6560万人に上る。しかし、難民が仕事に就くためには、法的に働くことが認められることや複雑な資料、言語の違いなど超えるべき壁がある。

白書では、難民を雇用する18企業の好事例を紹介し、企業の指導者の責任や研修への投資、ネットワーク構築能力など10の提言を示した。イケアでは、文化の違いによる衝突を避けるため、6ヶ月のインターンシップなどを実施する。

同社CEOのアラン・ドゥアズ氏は「労働市場への難民受け入れを促進することは、すべての当事者に利益をもたらします。今後、官民両方の組織に働きかけ、難民の労働環境の整備に取り組み、難民が働きやすい社会を築くことで、経済の繁栄を目指します」と語る。

労働力の不均衡が現状のまま改善されなければ、2030年までに世界のGDPの10%にあたる10兆米ドルもの損失を生むと推定される。ドイツのハイデルベルク大学の研究機関やハイデルベルク教育大学、ヨーロッパ経済研究センターと協力した最新の研究から、難民の労働環境の整備を促進することが、財政的な負担を軽減し、長期的なGDP成長につながり、労働市場の不均衡を改善すると示している。

「サステナブル・ブランド ジャパン」より転載

最終更新:7/18(火) 22:12
オルタナ

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