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「また韓流か」とは言わせない!? 韓国の9人組グループ・Twiceが他の量産型アイドルと一味違うワケ

7/18(火) 15:50配信

HARBOR BUSINESS Online

 先月の28日、韓国発の9人組ガールズグループ「Twice(トゥワイス)」が、満を持して日本デビューを果たした。平均年齢は19歳。メンバー9人中、5名が韓国出身、3名が日本出身、1名が台湾出身という多国籍な構成で、既にアジア各国で大きな話題を呼んでいる。

 韓国でのデビューは2015年。代表曲である「CHEER UP」と「TT」で韓国の音楽チャートを総なめにし、数々の音楽賞を受賞。今年は、韓国で最も権威のある賞のひとつ「ゴールデンディスクアワード大賞」も受賞した。

 デビューから、わずか1年半足らず。彼女たちの活躍は、かつて紅白歌合戦にまで出場し、日本でも大ブームを起こしたK-POPアイドルグループ「少女時代」や「KARA」らを彷彿とさせる。「Twice」は、日本において下火になった、K-POPブームの再燃の起爆剤になり得るのか。

◆韓国を席巻した残酷な「アイドルオーディション番組」の申し子

「Twice」のデビューのきっかけは、韓国のオーディション番組「SIXTEEN」だ。大手芸能事務所の練習生たちが、夢のアイドルデビューを目指し奮闘する番組なのだが、そのリアルさと、ある種の残酷さが話題となった。

 アイドルデビューを目指すのは16名。デビュー出来るのは7名。16名は、「メジャー」7名と「マイナー」9名に振り分けられ、与えられたミッションで対決し、毎回「メジャー」、「マイナー」を入れ替える。仮に「メジャー」に所属していても、次回放送時には「マイナー」降格もあり、要は他人を蹴落として這い上がらなければ、アイドルとしてデビューできない。

 ミッションは、ジャケット写真を撮るチーム戦であったり、メジャーメンバーとマイナーメンバーの個人戦(負けたら降格)であったりと様々。ミッションごとに昇格、降格が発表され、最終的にメジャーグループに残った7名に、降格組から最終昇格した2名を加え、今の「Twice」が結成された。

 この番組の強みは、スマホを通じて視聴者をうまく審査に取り入れた点だ。

 番組を通して見えてきたのは、ドロドロな蹴落とし合いではなく、自身のスキル向上に向けた努力はもちろん、仲間の昇格を共に喜び、降格したら共には涙し、切磋琢磨しあう少女たちの姿。自分の「推しメン」が悩み涙しながら成長していく姿に、視聴者は共感し、彼女たちの熱烈なファンになっていく。

 結果的にTwiceとして結成された当時から、圧倒的な人気を博していた。

 余談ではあるが、来月から日本でもこの「SIXTEEN」と似たようなアイドルオーディション番組が放送される。手がけるのは、希代のヒットメーカーである秋元康氏で、そのタイトルは「ラストアイドル」。オーディション参加者を2つのチームに分け、デビューが約束されている「7つの椅子」を掛け、1対1のパフォーマンス勝負を行う。まさに「Twice」をデビューさせた「SIXTEEN」と同様のシステムだ。

◆幅広い年齢層への訴求性と覚えやすい楽曲

 Twice人気の秘密は何なのか? その理由の一つに、対象となる年齢層の幅が広いことが挙げられる。

 30代~40代に対しては「育成型アイドル」として、10代~20代に対しては「可愛い系アイドル」として。30代~40代に対しては、番組で成長課程を見せたことで親心のような「親しみやすさ」を与えた。日本のアイドル市場を拡大させた、あの方法である。10代~20代に対しては、個性的なファッションも注目されているが、何といっても楽曲の覚えやすさや、ダンスの真似のしやすさによる普及が目覚ましい。

 Twiceの曲はいずれもサビ部分が1度聞いただけである程度頭に入り、さらにはサビ部分の振り付けも簡単に真似できるように構成されている。実際、メンバーのジヒョが「小学生の弟が私たちの踊りを簡単に真似している。」と明かしたこともあり、小学生でも真似できるほど若者には親しみやすく、学校などの日常生活にも取り入れやすい。日本でも流行している、文字で「涙」を表現する「TT(ティティ)」が、その代表格か。

 さらには、多国籍グループであることもまた、幸いしていると言える。

 そもそも、日本における韓流ブームは、縮小傾向にあった韓国エンタメ業界が新たな市場開拓に向けて仕掛けたもの。日韓の政治的な問題や、国民感情の悪化により、一時のブームは過ぎ去ったが、今でもやはり韓国エンタメ業界にとって日本市場は魅力的だ。

 韓国エンタメ業界の新たな刺客でもある「Twice」は、メンバーに日本人も含めることによって、日本市場への新たなチャレンジを試みている。韓流エンタメが強い影響力を誇る台湾に対しても同様だ。したたかな戦略でもある。

 しかしこの戦略は、韓国国内においても予想外のメリットを生み出した。日本人や台湾人のメンバーの、たどたどしい韓国語が、ファンたちから「可愛い」と好評だ。

「Twice」の日本デビュー曲でもある「TT」は現在、動画配信サイト「Youtube」において、再生回数2億2千万回を達成(7月7日付)。日本でリリースしたベストアルバム『#TWICE』は、発売からわずか1週間で売上21万枚を突破した。

 飽和状態の日本のアイドル市場において、K-POPアイドルはその地位を確立出来るのか。

 彼女たちと、彼女たちを取り巻く大人たちの、日本での成功に向けた戦略に注目である。

<文・安達 夕 @yuu_adachi>

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:7/18(火) 21:52
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