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CIAの情報分析は誰でも応用できる手法だ

7/18(火) 8:00配信

東洋経済オンライン

「ロシアゲート」疑惑をめぐって、ドナルド・トランプ大統領と確執を深めているといわれるアメリカの情報機関CIA(米国中央情報局)。世界最強といわれ、時の大統領とも対峙するこのスパイ組織の力の源泉は、実は日々の地道な情報収集・分析任務だ。
そうした活動を担う情報分析官(アナリスト)は、いかにして膨大かつ複雑な情報を処理し、国家の安全を支えているのか?  『CIA極秘分析マニュアル「HEAD」――武器としてのインテリジェンス』の著者であり、この世界で20年以上のキャリアを持つ元CIAアナリストのフィリップ・マッド氏が、ビジネスや日常生活にも十分に応用可能な分析技法の極意を解説する。

■「HEADゲーム」の手法

 「世の中、情報(データ)があふれすぎで、かえって選ぶのが難しい」――。スマホやグーグル検索で数時間を費やしたうえに、こんな感想をもたれた方は多いのではないだろうか。では、さらに膨大かつ厄介な情報を扱う情報機関のアナリストたちは、そんな状況にどう対処しているのだろうか。

 世界の情報機関のなかでも随一の規模を誇るCIAの主な任務は、世界各地から日々もたらされる複雑かつ膨大な情報を収集・分析し、政策決定者が国家の針路や人びとの安全を左右する決断を下すのを裏で支えることだ。映画やテレビ・ドラマでは、外国要人の暗殺や派手なカーチェイスなど、物騒なスパイ活動ばかりが描かれるが、実際のCIA職員の大半は、地道な情報収集・分析任務にいそしんでいる。

 「秘密情報の世界で理解し始めた方法は繰り返し使えるうえ、高い学歴も秘密の金庫に隠された特別な情報もいらない。私は、その長年の経験から英語の頭文字を取って「HEADゲーム」と名付けた「超効率的かつ分析的な意思決定術(High Efficiency Analytic Decision-Making)」を編み出した。

 「HEADゲーム」の手法を使えば、情報の洪水におぼれることなく、効率的な意思決定に至ることが可能だ。国家安全保障にかかわる問題から、投資先の選定、新車選びにまで応用できるこの分析法は、次の「5つのステップ」からなっている。

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