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EPA締結で大枠合意、その経済効果は侮れない

7/18(火) 19:01配信

会社四季報オンライン

 日本とEU(欧州連合)はこのほど、EPA(経済連携協定)の締結で大枠合意しました。世界のGDPの約3割、貿易の約4割を占める世界最大規模の自由貿易圏ができることになり、日本・EU間の貿易と両地域の成長を押し上げる経済効果が見込まれます。同時に、トランプ政権の保護主義や英国のEU離脱などに対抗して、日本とEUが自由貿易の中軸となるという戦略的な意義も重要です。

 まず今回の日欧EPAの主な合意内容をおさらいしてみましょう。日本からEUへの輸出では、(1)EUが乗用車にかけている10%の関税を8年目に撤廃する(2)自動車部品の関税の92.1%(金額ベース)を即時撤廃する(3)14%の高関税が課せられているテレビは6年目に撤廃する(4)日本酒や日本製ワインなどすべての酒類の関税の即時撤廃――などとなっています。この結果、EPA発効時点で工業製品の無関税割合が35.8%から81.7%に上昇します。

 日本のEU向け輸出を品目別に見ると、1位が自動車、2位が自動車部品となっています。乗用車の関税撤廃は日本の自動車輸出の拡大につながりますし、自動車部品の関税が即時撤廃されれば、自動車の欧州現地生産のコスト低減などのメリットがすぐに生まれそうです。ちなみに、自動車部品の関税の即時撤廃率92.1%は、TPP(即時撤廃率81.3%)や、韓国とEU間のFTA(90.2%)を上回っており、最も高い自由化水準を実現しています。

 また輸出品目3位の原動機を含む一般機械の即時撤廃率は86.6%、4位の電気計測機器を含む電気機器は91.2%などと、いずれも高い水準を達成することになり、全体として輸出拡大の効果が期待できる内容となっています。また日本酒などは欧州で注目されるようになっているだけに、輸出増加にはずみがつきそうです。

 一方、EUからの輸入については、(1)ワインの関税を即時撤廃する(2)ソフト系チーズ(カマンベール、モッツァレラなど)に関税割当枠を設定して段階的に関税を下げ、16年目にゼロにする(3)パスタ、チョコレートの関税を段階的に下げ、11年目に撤廃する(4)バッグや靴など皮革・履物は最高30%となっている関税を同じく11年目または16年目に撤廃する――などとなっています。こちらのEPA発効時点での無税割合は77.3%から96.2%に上昇するということです。

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