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ハタケで鍛えたハタケ。異色キャラの巨人・畠世周がプロ初勝利に挑む

7/19(水) 8:10配信

webスポルティーバ

 7月6日の広島戦でプロ初先発を果たした巨人・畠世周(はたけ・せいしゅう)だったが、4回を投げ5安打、4四死球、5失点と“プロの洗礼”を浴びた。それでも、球数の多さ、変化球のレベルアップなど課題は多く見えた一方で、コンスタントに145キロを超えるストレートを中心に広島打線から5個の三振を奪うなど、十分に可能性を感じさせるものだった。

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 素材は一級品であることは間違いない。186センチの長身から、最速はプロ入り後に更新した155キロ。ただ、“186センチ”“155キロ”の印象を膨らませすぎると、畠の本質を見誤ることになりかねない。

 近畿大学時代に取材をした際、少年時代の話となり、子どもの頃に憧れていた投手は誰かと聞くと、和田毅(ソフトバンク)の名前を挙げた。和田は左投げで、ピッチングスタイルも畠とは重ならない。その理由はこうだった。

「140キロに届かないストレートで、プロのバッターたちをあんなに抑えられてすごいなと……。それが不思議に思えて、興味が沸いたんです」

 子どもの頃から体格に恵まれ、周りの子よりは速い球を投げていた。それでも、力任せのピッチングに頼ることなく、いつも頭のなかに「なぜ?」「どうして?」を持っていたという。

 大学時代にピッチングで大事にしていることを尋ねると、真っ先に「タイミング」と「緩急」を挙げた。そして和田のほかに好きな投手として語っていたのが桑田真澄(元巨人など)だったのだが、まさにこの視点からだった。ちなみに、桑田の現役時代は知らないという畠だが、動画サイトなどでその投球を見て、憧れたという。

「大きなカーブとストレートとの緩急とか……少し(芯を)ずらして打ち取る投球を見て、自分もこういうピッチングをしたいと思って見ていました」

 またドラフト後の取材では、こんな話をしていた。

「一流の選手に対して、その人のかたちでスイングされたら打たれます。大事なのは、チャレンジさせないこと。その人のかたちで振らせないことだと思います」

 ちなみに、小学校から中学校に進学するとき、初めて覚えた変化球はチェンジアップだった。父のアドバイスにより習得したものだが、当時から緩急は常に意識していた。

 畠は広島で生まれ育ち、高校は近大福山。好素材の選手ではあったが、エースナンバーを背負ったのは最後の夏のみ。「『さぁ、行くぞ!』というときに、いつもケガをして……」と振り返った3年間だった。

 入学時のスピードは133キロ。その後、チームが所有するスピードガンが壊れ、大会でも勝ち上がれなかったため、最終的な球速は不明。3年春に新庄(広島)高と行なった練習試合で相手チームの選手から「142キロ出てたぞ」と教えられたのが、唯一の数字だった。ちなみに、この試合で投げ合ったのが現チームメイトの田口麗斗(当時2年)。畠はそのときの田口の投球が強く印象に残っているという。

「スピードもありましたけど、いちばんはコントロール。僕は左打ちなんですけど、『外の球がこんなに遠くに感じるのにストライクなのか』って。あのコントロールは本当にすごい。自分とはまったくレベルが違いました」

 新庄とは、夏の県大会4回戦でも対戦。畠は7回から登板したが、2イニングで7点を失いコールド負け。これが高校最後の試合となった。

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