ここから本文です

ホンダが「どうせダメ」といわれたイギリスGPで示した0.3秒の進化

7/19(水) 11:32配信

webスポルティーバ

 シルバーストンは空力サーキットであると同時に、全開率が66%を超えるパワーサーキットでもある。今年はマシンの進化によって高速コーナーを全開で駆け抜けられるようになり、もはや実質的にコーナーではなくなったことで、パワーサーキットの性格はさらに強くなった。改良型パワーユニットを投入してきたメルセデスAMGがフェラーリに大きな差をつけ、圧勝した理由もそこにあった。

【写真】スーパーGT参戦全チームのレースクイーン&マシン紹介

 そのシルバーストンで行なわれる第10戦・イギリスGPは、マクラーレン・ホンダにとって地元レースでありながらも、ある意味では「ダメージリミテーションのレース」――つまり傷口を最小限に抑えるためのレースだと思われていた。

 特にフェルナンド・アロンソのマシンは前戦のオーストリアで投入したばかりの新品のMGU-H(※)を突発的なトラブルで失っていただけに、さらなる新品投入によるグリッド降格ペナルティは避けられない状況だった。

※MGU-H=Motor Generator Unit-Heatの略。排気ガスから熱エネルギーを回生する装置。

「いずれにしても僕らはこの2戦のうちにMGU-Hは交換しなければならないし、それであれば今週のうちにもっとコンポーネントを交換し、戦略的にペナルティを消化しておくことを考えるべきだ。次のハンガリーGPのほうがいいリザルトが期待できるわけだからね」(アロンソ)

 パワー不足の影響が出にくい中低速テクニカルサーキットのハンガリーでは、絶対にグリッド降格ペナルティを受けたくない。それがチーム全体の共通認識だった。そのためここで新品のパワーユニットを丸ごと投入し、ハンガリーGPに向けての準備を整えたのだ。

 しかし実際に走り始めてみると、意外にもマシンのフィーリングは上々だった。予選ではストフェル・バンドーンがモナコGPに続いてQ3に進出し、9位を獲得するほどだった。

「シルバーストンでQ3にいけるとはあまり思っていなかったよ。フリー走行の段階では中団はかなりの接戦だったし、いつもライバルたちは予選モードでさらにパワーをひねり出してくるからね。難しいコンディションだったけど、僕らはずっと速かったし、いい予選セッションだったね」

 アロンソに至っては路面がウエットからダンプ(水はないが湿った状態)、そしてハーフドライへと移り変わっていくQ1でセッション終了1秒前にドライタイヤに換えてタイムアタックに突入し、トップタイムをマークしてイギリスの大観衆を沸かせた。

「(Q1の1位という結果)それ自体に大きな意味はないよ。路面がまだダンプだったけど、決勝で同じようなコンディションになったときのために、ダンプ路面でのドライタイヤのフィーリングを確認しておきたかったんだ。観客席の人たちが立ち上がって拍手をしたり歓声を送ってくれて、彼らもマクラーレンが久々にトップに立つというのが見られて喜んでもらえたと思う」

1/3ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sportiva

集英社

Sportivaムック
4月13日発売

定価 本体1,472円+税

フィギュア特集
『羽生結弦 平昌への道』
■ヘルシンキの激闘
■宇野昌磨、本田真凜ほか